やったことのない外壁

2017.07.27

夏真っ盛り。

海老名にある農園小屋新築工事も内部がだんだん仕上がり

全貌が見えてきました。

 

 

一見、教会のようです。(言い過ぎか)

 

 

 

お盆を前に外部を固めたかったので、7月某日の雨のない日。

外壁工事がスタートしました。

 

この農園小屋の外壁はドイツ壁という私も経験のない

ヨーロッパの城郭などに用いられてきた左官工事。

 

オーナーが気に入り、この壁ありきで打合せを続けてきました。

色合いもこれに紺色とグレーの中間色のような色を付けて

仕上げます。

 

 

左官屋さんは、この現場の大工さんの親類で歴史ある建物や

公共建築物のこだわった左官工事をしている方に

お願いし、全国を飛び回る中弊社の現場に入ってもらいました。

 

 

そして、いよいよその時が来ました。

私も大工さんもオーナーも遊園地を前にした子供ような

目をしてたと思います。

 

 

先ずは下地にエアーガンで大まかに吹き付けます。

 

先ずはこんな感じにしていきます。

かき落としという左官の壁に似た表情。

 

 

 

さて、ここからです。

こんなツールを使い、壁に外壁材を弾くように

ぶつけていきます。

左官屋・大工・私・オーナーみんなで施工していきます。

手首と腕に乳酸がたまっていきます。

要は手首をスナップさせて、竹の道具をしならせ

骨材を弾き飛ばす手法です。

左官屋さんが、リズムだよリズムって言ってました。

左官屋さんがやると、散弾銃のように綺麗に骨材が

弾き飛びます。

 

 

大工さんやオーナーはコツを徐々に掴んでいく中、

私だけ上手く外壁の玉が飛ばない飛ばない。

皆さんにいじられ、私担当の部分には左官屋さんによる

手直しが入ってました。

大工さんはほんとに上手。YDKだそうです。(やればできる子)

 

 

 

外壁工事に珍しく、一面ずつ仕上げていく形をとります。

おおよそ二時間後にはこんな感じ。

みんなでいいじゃない~の風景。

 

 

 

ここからさらに厚みをつけて、30mmの厚さにしていきます。

 

 

 

決して工業製品・機械製品のように均一にはなりません。

同じ左官屋さんでも表情が違う。

均一化していないのが、手仕事らしいし、本物の証拠。

手仕事にしか出せない表情が出ています。

 

廻りを見渡せば、

均一化された

工業製品ばかりの家が目立つ。

均一化が悪いわけではなく、均一化がある分

手間は安くなり、上手ではない人が関わっても

それなりの物になる。

 

 

 

木も壁材も本物を使えば、同じ樹種・同じ素材の

紙や土を使っても色も木目も艶も、同じ白でも

黄身がかっていたり、グレー気味だったり

様々な表情がそこにあります。

人間も十人十色。

 

 

これを悪い意味でムラととるか

良い意味でアジととるか。

 

 

どちらを選ぶかはその人次第。

正解も不正解もない。

 

 

僕は、表情が違う自然のモノや人の手による仕事の質感が

残るモノがやっぱり好きです。

 

 

 

良い経験が出来ています。

明日も手首を効かせてきます。

 

 

 

元井

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

“涼“の取り入れ方

2017.07.21

 

 

 

連日、本当に暑い日々が続いていますね。

みなさん、体調はいかがですか?

 

 

しかし、この暑さの中でも日に日に成長していく、我が家のトマト達。

ま~~~驚かされる生命力!!

毎朝、家族でその成長振りに花が咲くのが日課になりました!

 

 

 

 

 

お恥ずかしながら、我が家は集合住宅の最上階という事もあり、

かなり風当たりが強く、今までに何度か植物たちを

ダメにしてきました。。。

でも、ず~っと「家庭菜園」たるモノに憧れて続け、

今年は子どもが大好きなトマトに初挑戦!っという経緯です。

 

な、モノでそうは上手くはいかないものの、

何度か茎が折れてしまい、それを植え替えたりしながら

やっと実がなってきた~っと喜んでいたら、

みるみると実があっちもこっちも!

日々、大きくなる、なる!!

 

 

 

 

でも、実はこの写真のトマトの茎の根元は、

主軸から1/5程、折れていている状態。

ほぼくっついていない?!感じ。

マスキングテープで補修していたのですが、

どんどん成長していく重さに耐えきれずに

徐々に主軸から折れていくも、この成長!!

本当に、感心させられる日々です。

 

 

 

しかし、このトマトの成長と共に緑の量も濃さも増してきて、

この暑さの中で、身近で「涼」を視覚で感じられる意味では

とてもありがたいですね。

 

 

 

 

 

毎朝早くから鳴くセミの音と、

毎年恒例の風鈴の音色を聴きながら、

五感で感じる「涼」を住まいの中に

上手に取り入れていきたい、と思う日々です。

 

 

 

 

 

また、その一つでもある、「打ち水」。

集合集宅では中々感じられないけれど、

古今の社屋では朝の水やりの時に、「涼」を頂ける。

 

 

アプローチの砂利以外に社屋の玄関ポーチで採用している

「洗い出し」という方法の土間の仕上げが

水に濡れると、これまた良い表情を出します。

 

 

 

 

 

実はこの「洗い出し」は、伝統的な左官の工法で、

石を混ぜたモルタルが硬化しないうちに、

表面のモルタル部分をブラシなどで洗い流し、

砂利を表面に浮き出させる仕上げです。

 

 

 

昔ながらの日本家屋やお寺、神社などで、

目にした事があるかと思います。

 

 

 

 

こんな感じで、大きな玉砂利は良くある感じですね。

以前は、こういった玉砂利を使っているところが多かったようですが、

最近では、入れる砂利の大きさや色み、形も様々で、

かなり違った雰囲気を出すことができます。

 

 

 

 

 

 

写真のように砕石をいれるとかなり雰囲気も変わります。

モルタルに混ぜるモノでこれだけ表情が変えられる意味では

現代でも採用しやすい仕上げです。

 

 

 

実は我が家もこの「洗い出し」を採用していて、

何が良いって、お手入れが殆ど要りません。 苦笑

砂やゴミなどが目立ちにくく、表面も砂利の凹凸があるので、

余り気にならないんです。

しかも、自然に風化していくので、経年変化で

表面の砂利が少しずつ顔を出してきて、

これまた竣工時とは違う表情になってきます。

自然素材を採用した家には、とっても相性が良いので、

個人的にはとてもおススメです。

 

 

 

 

 

こういった四季を、五感で感じられる工夫を

住まいの中で、自然に、違和感無く、取り入れていきたい。

五感が刺激される事で、心が動き、

愉しみが生まれ、多くの事に繋がっていく。

それが、人を、人生を、様々な意味で豊かにしていくんでしょうね。

 

 

その場となる、住まい。

やっぱり、じっくりと向き合って、つくっていきたい!

と、思う日々です。

 

 

 

 

 

 

 

山森

 

 

 

 

 

 

風の通り道

2017.07.15

 

 

暑いです。 それにしても暑いです・・・

 

本当にまだ梅雨は明けていないのでしょうか?

 

 

最近のTVの特集でやっていたのですが、夜間就寝中に熱中症に掛かる人が30%もいるそうで、

夜もエアコンを使い寝ないと危険という報道をやっていました。

 

我が家では最近、赤子がいるので妻と3男坊は空調の効いた部屋で日々過ごしていますが、

上の子2人と私はエアコンの無い部屋で寝ているので、

夜の涼しい風を感じる度に空気の流れ・風の通り道を設計上しっかりと考慮しなければならないと、

再認識させられます。

 

 

 

 

 

工事中の寒川町の物件ですが、もともと二階は酒屋さんの倉庫でした。

何度か部分的に増築や改築を行っていたので、明かりの取れない部屋や、

空気が流れ難い部屋が出来てしまっていました。

 

今回のリフォームでは間取りを一新して、各生活スペースに明るさと

風の通り道が出来る様に考慮しました。

 

 

 

 

 

 

 

玄関からリビング・各居室をつなぐ中廊下が風の通り道となり、窓を開けるといい風が入ります。

少し風の強い日だと、写真奥の部屋で大工さんが木を切ったおが屑が、

ドンドン廊下に吹き飛ばされてしまう程です。

 

 

 

また風を通す為には、各部屋の扉を開け放っていなければなりません。

 

開き戸だと、通行の邪魔になってしまったり、家具などにぶつかってしまい、

開け放っておくのが難しい場所がある為、出来る限り引き戸で設計しました。

 

 

 

来週からは内装屋さんが入り、壁を仕上げていきます。

 

これから暑さ本番ですが、風の通り道で少しでも職人さんが涼しく仕事が出来ればいいですね。

 

 

 

 

鈴木

 

 

 

青葉区某所にて

2017.07.06

GW明けから、打合せ、リフォームのお手伝いをさせて頂いた物件が

完了しました。

 

青葉区の緑豊かな寺家地区に近い場所にて

中古物件を購入されて、弊社にリフォームをお願いして

下さいました。

 

3人+お腹に1人計4人お子さんたちのため

ある程度の個室数と物件場所の雰囲気にこだわり

2か所に絞っての中古物件の内見から同行させてもらい、

中古物件の現状把握、望まれるような形にするには

改装費としてどのくらいの予算感を見ておくかや

購入前からその物件と住まい手さんの要望に適した

提案の線引きはどこに設定するかなど、本来、何度も

打合せをしないと難しい部分も早い段階でつかめた

ので、当然、その後の細かい部分の摺合せもありましたが

最終的には何とかこれで思いの暮らしの一端が成り立つかな

って言うところまで一緒に進んでこれたので

作り手側として一安心しています。

 

 

物件を決められた理由が、

当然中古物件の状態などもありましたが、

周辺環境が良かったのと

(近辺に里山、クリエイターが多い、目の前公園などなど)

中古物件は少し高台に面し、庭への眺望が良く

 

 

 

お庭の中心にぽつんと立つシンボルツリー。

 

この建物を建てた時に植木屋さんはなぜここに木を

植えられたのか。

 

庭と建物とシンボルツリーの配合・距離感・高さ感・

バランスが見事なんです。

(今一伝わりませんが。)

 

初見の時、感嘆の声と当時の植木屋さんに対しての疑問と

敬意があったのを覚えています。

お庭の中心に植栽を植える当時の植木屋さんの

勇気とバランス感覚に驚きます。

住まい手さんもこのバランスを気に入っておられ、

その後、この物件を速決されていました。

 

住まい手は

ご主人 映像のお仕事 奥様 青葉でお菓子を作られている

作り人ご夫婦。

共感できる部分あったのだと思います。

 

一見、庭の真ん中に植栽なんて邪魔って思ってもおかしくない

のですが、こういう感覚がいい!って思える住まい手さんの

感覚が素敵だな~って思ったのも思い出されます。

 

 

この木の周りに沿ってベンチ作って、

住まいと緩やかに繋げて

子供たちがそこで遊んだり、

木陰でおやつ食べたり。。。

 

想像するだけでにやつきますね

 

 

 

当然、建物の状態の良し悪しもありますが、それらが

担保出来たうえでのこんな感覚での物件の決め方も

全然ありだと思ってます。

 

 

建物はどうにかできても、周辺環境は変えられないですからね。

 

 

 

 

内装を少し紹介

 

これが

 

 

 

 

こんな感じ

 

 

 

 

これが

 

 

 

こんな感じ

造作のオリジナルキッチン。

現状の住まいは見させていただき、

小物の置き方や

上手に仕舞い込むところと見せるところとバランスよく

収納されているのを拝見し、この方々なら大丈夫だなと。

 

余白を残して、作り込み過ぎず、センスの良い

住まい手さんの使いやすい形のキッチンに替えて行って

もらえる形にしています。

 

 

 

サニタリーもざっくりと。

無駄な贅肉をそぎ落としたミニマムデザインと

おおらかさが持ち味の実験用シンクは

この方たちの暮らし方にはぴったりです。

 

 

 

 

リフォームして綺麗な中、容量、分岐とも問題なく

ただただプラスチックの経年の色合いが気になる

分電盤も

元井大工造作にて、雰囲気に合うよう。

 

事前に住まい手さんに材料は提供するので作ってみて~って

ご提案していたのですが、現場で見てたら急に気になって

手が動いてしまいました。

 

引手はテカテカではなく、くすんだステンレスが気に入って

足場用の金物を使用。

 

扉が少し曲がってしまいました。ご愛嬌でお許しを。

 

 

リフォームするところと

しないところの差が仕上がってより強調される既存部分。

 

ここを計画の段階でどこまで気づけ、どう融合させるPLANを

提案できるかがその会社・建築士の力量・経験値だと

思っています。

 

全体リフォームの場合はあまり気になりませんが

部分リフォームの場合は特に配慮が必要です。

 

既存で残るサッシや外壁や配管の設備などもそうですね。

 

 

今でも難易度の高い想像力が必要なレベルの課題ですね

 

 

 

昔ながらの間取りで置き場の定まらなかった冷蔵庫置き場と

住まい手さん念願のパントリーも。収納能力も格段にUP。

 

 

 

 

 

風と光と人が一筋に繋がっていきます。

 

 

 

 

明日7/7 七夕はコラボ

弊社設立時、広い広いインターネット海原からウチを見つけ

てくれて、改装をお願いしてくれたKさん奥様が立ち上げた

お花屋。人柄・センスがヤバいです。きっと広がっていくと

思います。

 

古今にてお待ちしております。

 

 

元井