> 古今の仕事 > ヒトツナギの住まい
天板をホワイトアッシュのカウンターで造作したキッチン。家事をしていても家の中を見渡せる位置に移設した。
就寝時には障子を閉めて。圧迫感を与えないよう線の細い障子を用いた。
家族の寝室は畳を敷いた和室で。押入れを浮かせる事によって、寝る時のスペースを確保。
リビングの角にはスペースを。下部は収納となっている。玄関廻りにはラワン材を貼って空間を引き締めた。
横浜市港北区に建つマンション。
ザ・一般的な縦長マンション3LDKの間取り
をワンルーム化して、風と光が抜け、好きな素材に囲まれた
暮らしがしたいとのご要望で関係が始まった。
家族構成は夫婦+子供3人。
まだまだ小さいお子さんに囲まれ
日々多忙と思われる中でも、
常にどこか楽しげに子育てをされ、
日々の生活を慈しむような住まい手の
暮らし方がそこにありました。
暮らしていくのに生活力が必要とされるワンルームの住まい。
決して飾らず、生活力のある住まい手の住まいには
ワンルームが適しているし、この方たちなら
きっと住みこなせるという判断に納得しながら
計画を組み上げて行ったのを憶えている。
計画としては
一般的には3人の子供が居ると
一部屋ずつと細かく区切りたくなってしまうところを、
敢えて2LDKへと居室の数を減らし、
廊下などの動線まで取り込むことによって、
LDKをワンルーム化させ、
可動式間仕切りによって、将来の変化へ対応を
出来るように計画した。
合わせて、南北の窓をヒトツナギにする事によって、
採光・通風を確保しマンション特有
の北側の結露問題の解消をしていきながら
住まいの全てが見通せる空間につなげていった。
キッチンは当初よりアイランドキッチンを所望されたが
マンション特有の配管問題により、各種寸法を綿密に
調査後、PLANをいくつか一緒に検討しながら
床下の限られたスペース内で納まる位置と
キッチンデザインを見出していった
江戸時代の長屋の様に玄関戸を開ければ、
台所・居間・寝床と開けた空間。
寝る時は家族全員でまさに『川の字』
で寝るスペースと、一見個々のプライバシー
は確保し辛く感じる。
しかし、今後成長していく子供たちの為に、
区切られた部屋では無く
自分だけのスペースを確保出来る様に
ワンルーム内に各所に細かい居場所と配慮を残した。
素材感を大事にする住まい手の感覚を尊重し、
素材感を際立たせる色味や木目を慎重に吟味しながら
住まい手の理想の暮らしができる空間デザインが
実現した。
仕様
床:杉15㎜無垢フローリング
壁:珪藻土・一部ラワン板貼り
天井:自然素材壁紙
Type: マンション リノベーション
Place: 横浜市港北区
Cost: 650万
Content: 全面リノベーション