> 古今の仕事 > 純和風+ヴィンテージな住まい
窓の向こうには物干し場があり、既存の腰窓に階段兼ベンチ収納を造作。実用的でありながらも子供にとっては格好の遊び場。
玄関を開けるとまず目に入り込む明り採り。家族の気配を感じ、安堵感をもたらす。
【改装前】 ダイニングとキッチンが別々の空間に。小窓も塞がれてしまっていました。
閉鎖的だったキッチンの間仕切り壁を取り払い、キッチンの手元も緩やかに隠しながらも、便利な袖壁カウンターを設置。スギ材の壁面も空間をやんわりと和らげる。
太陽の明るさに恩恵の受けた日中と照明による夜の雰囲気の違いを多いに楽しめる空間。空気の流れ方も変わりそうだ。
キッチンはシナ材で造作したオーダーメイド。既製品とさほどコストの差が無いのもメリット。キッチン奥には洗濯機スペースとパントリーを設け、家事動線がスムーズに。
既存の収納はそのまま再利用。新しくなった周りとの調和に背景のスギ板が効果的だ。
当初は交換予定だったリビング~廊下の建具は開き勝手を変えて再利用。自然とリビングに足が導かれそうだ。
【改装前】 既存の井桁に入った化粧梁や、真壁の柱等がヤボったい雰囲気に。
天井既存の折り上げ天井と梁を残しつつ、シナ材の目透し貼りに。壁は古今オリジナル珪藻土。床はオーク無垢材で仕上げた。
【改装前】 全面透明ガラスだった玄関扉。
既存の玄関ドアをリメイクして、防犯性の低かったガラス部分にピーラー材を貼って落ち着いた印象に。合わせて下足入もタモ材で造作。ご主人セレクトの照明が空間を引き立てる。
青葉区の中でもゆったりとした環境の閑静な住宅にある、
築23年の純和風木造一軒家。
子育て真っ盛りのご家族に適応するように、
予算と様々な条件に合わせてリノベーションしました。
純和風ならではの深い庇で守られた玄関を入り、
柔らかい光の存在する廊下から、既存のガラス格子の建具を開けると
元の梁を活かした天井をシナ材で化粧した、
広々とした空間(リビング)が現れます。
既存の上質な建具や障子は再利用しながらも、
真壁から大壁にする事によって、「純和風」のイメージから
やんわりと打破した、スッキリとした空間に変化させました。
また、眩しい光がたっぷりと差し込む明るいリビングダイニングと、
相反する暗い中廊下との変化を敢えてそのまま存在させました。
住まいの中に在る明暗の変化は、
視覚的にもとても有効的な効果をもたらします。
さらに、ダイニング~キッチン~和室~廊下へと
回遊できる家事動線を改め、無駄な一部の廊下を無くすことで、
新たにパントリーも設ける事ができました。
中古住宅では良くある、断熱性能の問題も、
既存の床を剥がさずに施工可能な発砲ウレタンを床下に吹付け、
窓ガラスをペアガラスに交換することで、温熱環境を改善させました。
リノベーションを行う良し悪しは、確かに既存の状態が大きく左右する。
しかし、現状を如何に把握し、どう活かすかを吟味しつつ、
まずは住まう為の状態にまで持っていってあげれば、
後は住みながら、住まう人の想いや家屋状態とバランスを取りながら
ゆっくりと変化させて行けば良い。
きっとこの住まいも、お子様の成長と経年変化と共に、
「純和風」と「ヴィンテージ」な感じがゆっくりと共鳴していくのだろう。
その変化が楽しみでならない。
Type: 一戸建て リノベーション
Place: 神奈川県横浜市
Cost:
Content: 総工費 600万