> 古今の仕事 > 20代からの中古+リノベーション
廊下からガラス越しのダイニング。ここのみ枠を黒茶塗装。空間を引き締めている。
ダイニングの天井には構造補強のための梁を掛けたため、下がり天井が生まれた。その部分を栂の羽目板で仕上げることで、住まいの重心が下がり、落ち着きのある空間となった。
日常の風景
キッチンバックセットをニヤトー材を用いた造作家具でオーダーメイド。お手持ちのお皿や使い勝手、コストを総合的に勘案しながら引出の高さや配置を決めて行った。
杉Jパネルのオリジナルダイニングテーブル。
キッチン横の壁には、構造補強で柱を抱き合わせた部分に、床との相性を考慮し、オーク材を貼って仕上げた。
清潔感のあるサニタリー。既製品を組み合わせて安価にオリジナルの洗面台を造作
空間に馴染むよう重くもなく軽くもなく良い色味のグレーで揺らぎのあるタイルを馬貼りで仕上げた。
改装前のキッチン全景。
改装前のLDK。
住まい手は20代のご夫婦。
縁があって繋がり、設計監理を担当させて頂きました。
詳細打合せ途中にお腹の中に新たな命を授かっていることが
わかり俄然、良い住まいにしようと意気込んだのを
覚えています。
近隣に公園や学校があり、閑静な住宅街にあり、ご実家のそばの
練馬区内に半地下の車庫、一階・二階、ロフトが住居の
築25年の中古住宅を購入。
既存の住まいの外壁・屋根に関しては、状態が良く
メンテもされていて、戸建リノベーションにありがちな
外部メンテにコストを取られ、内部にコストを
回せなくなるということにはならず
その意味では良い状態の中古住宅だった。
内部に関しては先住の方の設えや
当時の建売の仕様と華奢な構造が色濃く残る空間だったので
それを、今仕様の耐震、断熱気密処理を施したうえで
丹念にヒアリングを重ね、背に腹は変えられないコストも考慮し
お二人の暮らし方、趣味嗜好にフィットするよう
間取りと空間を整理・調整するご提案をさせて頂きました。
予算的に二階までは手を付けれなかったので
生活スペースの一階を中心に耐震補強工事から着手。
鉄骨梁、柱の組み換えや耐力壁の位置の変更を上下階の
構造を意識し、出来るだけシンプルに上からの荷重を
下に流せるよう組み替えていった。
内装は、40代・50代になっても恥ずかしくない、
やり過ぎない落ち着いたざっくり感のあるインテリアと
波乗りに興じるご主人にも通じる海の香りが残る
ようなデザインの両方を意識してまとめていきました。
今のデザインされたリノベーション事例をみると
住まい手が50代になった時に、やんちゃすぎて
手で顔を覆いたくなるスタイルが少なくないように思う。
20代のご夫婦は若いにも関わらず、職業柄もあると思うが
自分たちがここに住んでいくんだという意思の下、
50代になっても恥ずかしくない落ち着いたざっくり感を持つ
スタイルと、今のタイミングで作り込み過ぎない余白のある
スタイルを受け入れてくれたことに感謝したい。
彼らがその年になった時に改めてあの頃の選択は
間違ってなかったと感じてくれたのなら嬉しいなと思う。
床:オーク
壁:自然素材クロス
天井:自然素材クロス・栂羽目板
家具・建具・キッチン:タモ集成材・ニヤトー突板
Type: 一戸建て リノベーション
Place: 東京都練馬区
Cost: お問い合わせください
Content: 間取り変更 耐震補強 断熱気流止め 水回り全交換