『陰翳礼讃』
2018.02.23
まだまだ寒さも続いておりますが、
時折訪れる、ありがたい昼間の温もりに
ゆ~っくりと、春を感じられてきましたね!
そんな丁度温かな日差しのある日に
着々と進んでいる、近くの新築現場の
DIY工事のお手伝いに行ってきました!
意外と良い機会が無いと経験できないので、
是非DIYのお手伝いに!!
っと意気込んで行きましたが、、、
長くは続きませんね。。。笑
お日様に感謝、感謝!
まだ、乾き途中でしたが、
やはり、さすがは「PORTER’S PAINTS」。
何とも淡い色合いが木の質感と相性が良いですね!
完成が楽しみです。
さて、その他の現場も来月の完工に向けて動いています。
意識して見て頂くと、天井が実は奥の出窓の方に下がった
勾配天井になっており、一番低い所で約2m程の天井高にしています。
天井材はラワン材。
ワラン材は経年変化でかなり色味がしっかりとついてくるので、
今回は敢えて無塗装で仕上げる予定です。
そんな天井高や素材感など、諸々を考慮して、
この2窓に入る予定の障子のデザインを
急遽、変更する事になりました。
っと、いうのもこの部屋に隣接する元和室にも障子が入っており、
そこは既存障子を再利用するPLAN。
この様な横繁障子が入っており、
当初はこちらはこのままのデザインを活かしていこう
っと、計画していたのですが、
やはり空間ができてくると様々な思いが浮上してきまして、、、
んっ?!
あれっ?!
古今の男性陣、やっぱり好きなんですよね!
手を動かし、作る事が! 笑
では、デザイン変更!!
っという事で・・・
これだけでも、かなり変わるでしょう?
障子のデザインってやっぱり重要だなっと感じる瞬間。
もう一つのこちらも・・・
こうなりました!
こちらは高さが35cm程の出窓に在る障子なので、
敢えて重心を下に下げる事でバランスを取っています。
これらが、先程の勾配天井の空間の新規障子と
どんな感じで存在してくるのか。
こちらも完成が楽しみです!!
また後日、ご報告しますね!
良く考えたら、現在計画中の2つの現場も
障子を導入する予定で、
古今の社屋や今までの施工事例でも
障子の空間が多いです。
そう思うと、知らず知らずと好意を抱く建築家の方々も
障子を良く採用されている。
永田昌民氏
八島正年氏+八島夕子氏
横内敏人氏
手嶋保氏
・・・っと上げるとキリが無いですが、
やはり、その障子というモノの魅力は
多くの人を引き付ける価値があるんだと思います。
ずっと継承されていって欲しい、建築の要素のひとつです。
その障子というモノの魅力を
何とも独特な、溶け込んでくるような文才で表現している
谷崎潤一郎の『陰翳礼讃』という随筆本。
和辻哲郎の『風土』と同じく、
建築などに携わる多くの人は、手にした事があるかと思います。
昭和初期の作品ではあるものの、
現代の今でも、日本人として深く入ってくるモノがあります。
きっと、この日常の豊かさに反して、失ったモノの偉大さ、
それでもなお残り続ける陰りある、その陰翳の美しさを
限りなく丁寧に記しています。
やはり魅力あるものは
時を越えても変わらない。
その価値がある。継承される。
そういった建築を、住まいを
これからも目指していきたいと思います。
山森
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