残っているものにはかなわない
2015.11.21
ん~ワシャワシャしています。
社内の事、関係のある外の事、関係のない外の事、個人の事。
東南アジアにある宿場町のストリート両端のように、
いろんなお店や看板が極彩色で並び、道の真ん中を通る人や
バイクをよけながら、なんとかかんとか前に進んでいる感じがします。。。
このまま、師走に突入する恐怖感たるや。。。
負けるもんか。
そんな中、だいぶ前から計画していた
建築仲間と一緒に建築家の堀部さんの設計塾に参加していきました。
堀部さんはご自分でもおっしゃっていましたが、脈々と続く住宅作家で
有名なフランクロイドライト~吉村順三さん系譜の方。
堀部さんが造る建築や住宅は
偉ぶらなく、人間に寄り添う建築を作られます。
日本人の琴線に触れていくような雰囲気がほんとに素敵です。
建築仲間も口をそろえて言っていましたが、堀部さんの話は
心にすっと入ってきます。
建築とか住宅をある種、バカ正直に15年以上向き合って行くと
答えではないのですが、確信のようなものに行きつきます。
たぶんその感覚が堀部さんと近しい部分を浮遊してるみたいで
非常にとんでもなくおこがましい限りですが、理解るからだと思います。
同時に向かってる方向は間違ってないなとも思います。
そんな中でも
「人が気持ち良いとか後世に残っていく良いものはヒューマンスケールを超えていない」
「残ってる建築にはかなわない。新しいことってなんだ?
建築の手法や心地よいカタチは脈々と
続いていて、それに気づかないといけない」
「変わらないものは
時代に合わせて素材や要望などのアレンジを加えながら
変わってるいうことを理解し、進めていくのが現代人の建築」
というお話。
フランクロイドライトの落水荘や日本の綺麗なお寺を引き合いに出して
天井高さや、窓の位置や、使う素材、視線の抜き方等々、具体的な
話を交えながら、お話を聞けたので、心地良さを生むという見えない
感覚的な理由がすごくわかりやすかったです。
しかし、お名前と作った建物は知っていましたが
フランクロイドライトが74歳で落水荘で設計し、それが坂本竜馬が
生きていた幕末に造られたという事実。
ビビりました。
落水荘で使われている手法が現在でも新しいコト、
74歳で設計したバイタイリティ、
とてつもない偉大さに驚きます。
実際に、見てみたい。。。
戦中、名のある建築家が軍用の建物を作っていた中
ライトの弟子でもある吉村順三さんは、それらを目の当たりに
していたからか一切、軍の要望に手を貸さなかったそうです。
ライトだけでない、こんな建築を作るアメリカにはかなわないって
思っていたのでしょう。
日本には天井が高ければ高い方がいいみたいな
風潮がありますが、世の中にある心地よいと思える天井は
落水荘もお寺の軒先もしかり、ほとんど2.1m~2.2m。
これは、ライトの建築も吉村順三さんも住宅の設計が上手な方は
みなさんが実践してこられている事実です。
当然、圧迫感がないような視線の抜けや吹き抜け、勾配天井など
様々な工夫が必要になり、一般の住宅では難しいことも多く、
ただただその高さにすればよいというものでもない。
これらを自分なりのアレンジを加えてご提案するためには、
私自信がもっと色々な建築を肌で感じて
自信を持ってお伝えしなければと思います。
日常に埋没して忘れがちになりますが、いい建築や
残っているものを見るとやっぱり作り手側の人間として、
非効率的で非生産的でビジネス的ではないけれども
後々の未来に残せてもらえる建物を作っていたいと思います。
ここの建物、古いけどなんか気持ちいよね~
これを壊すのはもったいないね~少し手を入れれば住めるんじゃない
かな?
よし!直して住もう!
未来にそんな風に言ってもらえたら、きっと自分の歩んだ道は間違って
なかったのかなと思えるんじゃないかと思えるし、住まい手さんにも
そう思ってもらいたいと心から思います。
そして、もっと大きな意味でいえばこの循環がエコロジーの極み
だとも思います。
まずは、落水荘いくか!
ムムム、アメリカはさすがに。。。また今度!
まずは近場で、高崎に移築しているレーモンドの自邸と
母の住む奈良(庭は京都、建築は奈良です!)で
感じてきたいと思います!