血の通った仕事

2020.10.30

コロナさん、勢力をやはり増して来ましたね。


コロナやこの暮らしにもだいぶWITHしてきてる中、

なかなか人込みみたいなものに遭遇しなくなって、

心地よくも感じるときがある。


不謹慎だけど、これくらい遠慮がちに生きている

ほうが自分に向いているなあと思ったりしています。


でもやっぱり、海外へは行きたいなあ。




ここも例外なく、平日だったのもあり、

空いていました。隙を見つけて出力ばっかりの

日々から脱却です。


内藤廣さん設計 御殿場 とらや工房

外壁と屋根がガルバリウム板金なんだけど、

固い金属感がなく、

自然に溶け込み、非常に達観した色味。


木との相性も抜群。


これならガルバの耐久性のメリットを

最大限生かしつつ、デメリットの工業感も薄まる。


さすがだなー。

この丁度良いチョイスが難しい。









吉田五十八さん設計 安倍さんのおじいさんの自邸も。


そういえば、ちょっと似てる。何に?

おこがましいたらありゃしない。

古今社屋外観。

窓の位置だけね。

ごめんなさい。



吉田五十八さん、50年前の仕事。

妙に障子がすっきりしてるなと。

原因は枠と障子の桟。




枠は、八掛っていう枠の納まり。



ガイドさんがいらっしゃって、まじまじと見てたら

建築の仕事やってるのバレて、建築やってる人は

見るポイントが違うのよーなんていいながら色々

教えてくれました。


吉田五十八さんは建築家(設計屋)でも

施工まで職人と一緒にやっていた特異な建築家。


古今も設計と施工を一人の人間が請負う形を

主としながらやっているので、勝手にシンパシー。


んで、外観も少し似てたのでよりシンパシー。


またまたおこがましい。



障子の桟も手前側に来る部分にテーパーが

取られていて、1分(3mm)の見付け。



岸信介さんの自邸であるが故の

日常の暮らしとして面、

岸さんを思っての面

迎賓館となるおもてなしの気品の面

吉田五十八さんの設計の主旨の面

など やはりいろいろと

混在しているけど、

一貫してすごく血の通った

建築に感じられました。



多分、そう思うのは

各所に手仕事感が残り、

人への配慮と想いがしっかりあって

かつ、

吉田五十八さんの建築は

作品性が薄いからだと思う。



奇をてらうわけでもなく、住むという

目的に気持ちよさや使い勝手、

今後数十年持たせなくてはいけない

メンテナンスへの配慮があると

建物形状は自ずとシンプルに

すごく素直になるもの。


その中で、醸し出す品やデザインの美しさ、

使い勝手などのバランスを保ちつつ、

耐久性のためのデザインを施すこと。


これらの両立ほど、難しいものはない

って言いきれる。



皆さんは50年後の為に仕事をしたことが

ありますか?



今、私たちが造る(造ってきた)家が、

50年後の未来の建築屋に見られて、

いい仕事してんなー、これ壊すのもったいないねって

一軒でも思われる家になればいいなと純粋に

思ってます。


血の通いが感じられる家を作ろう。




古今 元井





















大磯散歩

2020.10.24

ずいぶんと秋めいてきましたね。

   

   

小春日和の中、先日の休日は大磯へ。

大磯は大型店やチェーン店があまり無く、

町全体が落ち着いてのんびりしている感じがあります。

  

   

今回の目的は「吉田茂邸」

     

火事で全焼し、その後再建されたものです。

邸宅というから、こぢんまりしているかと思ったら

   

豪邸!

    

相模湾も富士山も見渡せる。

    

よく再建しようと思いましたね。

   

こんな所で生活していたら我々庶民の感覚とはズレているんだろうな、なんて思ったり…。

  

  

    

途中、『島崎藤村邸』に立ち寄り。

  

 

狭い路地を入った住宅地の中、

竹垣で囲われている敷地は周囲と違和感なく馴染んでいる、

平家25坪程の小さなお家です。

  

  

   

もちろん当時の事なんて知らないけれど

縁側での談話、書斎での執筆姿など、

当時の暮らしが思い浮かぶような空気感が残っていました。

   

本人曰く 

 

  

「萬事閑居簡素不自由なし」

  

   

と、この住まいを表現していたという。

   

  

建具や欄間のデザイン

小舞のように組まれた開口部(窓?)

当時は貴重だったであろうガラス入の建具

外壁は杉皮に竹の押縁

なかなか凝っているではないですか。

  

  

当時のサラリーマン給与30年分の価格だったそう。

   

なるほどね。

  

  

ずいぶん低いなと思ったら、当時の一般的家屋より更に低いという。

    

  

低い建物は落ち着いていていいですよね。

一緒に行ったツレにどっちが良かったか聞くと『吉田邸』との事。

良いと思う感覚は人それぞれですね。

   

 

   

   

   

 さて…

現在打合せ進行中のとある図面の1枚。

 

同じ部分の図面です。(壁面本棚)

  

上の図面は…

ふ~ん って感じですよね...。

    

下は使い方をイメージできるよう、家具や小物類を入れたもの。

   

階段の上り下りが楽しそうでなんだかワクワクしませんか。

     

図面は住まい手さんと打ち合わせを進めていく中で徐々に作り上げていくものです。

    

そして、それを大工さんはじめ職人さんが造るために伝えるものです。

   

一度叩き台をこちらで作図し、

それを元に使い方や高さ、見え方等を検討・相談し決めていきます。

   

注文住宅は細かい部分含め、

考え・決めることが多く、

打合せが進むにつれ「あれ?何だったかな...?」

ということがでてきます。

  

また、終盤住まい手さんにも疲弊が出てくる中、

少しでも楽しく、イメージしやすいよう、伝わるよう写真なども入れ込み、

イメージや情報の共有を図っています。

もちろん備忘録も兼ねて。

 

限られた時間の中でスムーズに進められるよう

図面の書き方にも工夫と一手間かけています。

代田

YANE

2020.10.17







今日はまたしても急に寒い。



日本の四季はもう完全に崩壊していると
言っても過言でないかもしれない。



春・夏・秋・冬


の順序ではなく



夏と冬の間に春・秋の様な日が数日といった
感じなのでは・・・








社内のミーティングでも、



設計士として

地震・台風・洪水・大雪・温暖化 等の

異常気象に対応できる住まいを

再考する必要があるね。


と。








古今の新築では、当たり前の様に深く張り出た軒先。


夏の高い太陽高度からは、日差しを遮り

冬の低い太陽高度からは、日が差し込む

雨天窓を開けていても、多少の風雨くらいでは

雨が入り込むこともない。


一石三鳥



こんなにも日本の気候に合っているものなのに

敷地条件・建築基準法 等の縛りによって

軒の出 ゼロ にせざるを得ない事もあり

設計する上で頭を悩ませる物でもあります。







玄関ポーチ屋根も同じく、雨風を遮れるように

出来る限り深くしたいもの。

傘を差す前にビショビショにならないように。





条件上、

軒の出が取れなく雨水が壁を伝って

しまうような、建物にはサッシ上に

ちょっとした小庇を。








なんだかんだと屋根やら庇やらと

ご紹介しましたが、

頭を悩ませる屋根形状の住まいを

設計しておりまして、

あーだ、こーだとグルグル回っていたので、

こんなネタのブログを書いてみたり。





さぁ、降ってこい かっこいい屋根!






古今 鈴木

はじまり

2020.10.10

 

 

そろそろモモヒキの出番が来そうなくらい冷えてきて、

 

 

寒暖差アレルギーも絶好調。

 

  

 

今年は四季がやけにはっきりしているような。。。

 

 

季節の変わり目、体調崩さないように。

 

  

 

 

 

  

 

 

 

とある打ち合わせ風景。

 

 

いや、たった今まで打ち合わせしていました。

 

  

 

 

サンプル、カタログを机いっぱいに広げて、

 

 

あーでもないこーでもない。 

 

  

 

 

提案する側もノリノリで、前のめりになることもしばしば。(笑)

 

  

 

約2時間みっちり話し合い、 

 

1物件の打ち合わせ期間は、半年ほどかけます。

 

  

 

 

  

イメージと図面だけで多額の金額を払って、

  

手に入るのは半年ほどかかります。

  

 

 

 

できたら終わり。

 

ではなく、それまでとその後も

ずっと続くお付き合い。

 

 

  

 

 

本音で本気で造りましょう。

 

  

 

 

そんな傍らで日々勉強中です。。 

 

 

 

 

増島 健人

景色は棲みつく

2020.10.02

最近、世の中は小康状態?平和になった?

でも、センシティブな人はまだまだという。



なんだか世の中、慣れというかなんというか。



陽と陰、光と影。



明るい方の電信柱から影がのぞいてる感じ。



まだまだな状態で冬を迎えます。



家の居心地の大事さをまた痛感する冬になりそう。

自分の好きな場所で、温かい冬を。







さて、和泉の家を施工事例にUPしました。



家にはその場所その場所で一番気持ちの良い

季節や時間帯がある。



残念ながら施工事例では、

撮影の日が曇りの時もピーカン晴れの時もあり、

撮影できた時間帯・季節によっても撮れる

写真が全く違い、その場所の一番気持ちいい景色を

切り取れているわけではなく、致し方がなく

その時間帯のその場所を撮影していることが多々ある。




和泉の家の窓辺

朝の窓辺 撮影の日の写真



昼過ぎの窓辺 携帯で撮った たまたまの昼過ぎ





和泉の家にとってこの場所は、リビング。



僕は昼過ぎに撮影した写真の時間帯

の景色と空気感が良いと思っている。


ここの家の住まい手も同じことを言っていたが

実際に夏には、この窓から入る南向きの風が

すごく居心地が良く、窓の位置だけじゃなく

勾配天井なども含めた場所の設計が

うまくいったなあと思っています。









対して、ダイニングとなるこの場所は、

天窓からの優しい光、障子のある窓から

隣地の緑を通り過ぎた朝日が気持ち良く、

朝がこの場所は一番居心地が良いと

思っている。




私たちは実際に家を作っておきながら

その家のその場所のその季節のその時間帯しかない

空気感や景色を知らない。



その景色があることを知ると

住まい手しか見れない領域と認識しながら

嫉妬に近い悔しい気持ちになっていた。




先日、yahooのインタビューで

代表作の「住吉の長屋」の住人で例えながら

建築家の安藤忠雄さんが語っていました。



真ん中に自然が入ってくる。いいですよ。

だけど、暑いし寒いし、雨も入る。不便ですよ。

でも、住みやすいか住みにくいかは、住み手次第。

『住吉』の施主はもう45年、そのまま住んでおられますよ。

中庭から天を仰いで、いい空やなと。

幸せや居心地を自分で見つけている。



その時間の風景を、心の中に残す。


そんな記憶の積み重ねの上に住みながら、自分の家を

自分なりの価値観でつくり上げていく。


そうしていくたびに、建築(家)は人の心の中に棲みつき、

その人のものとなっていくと。





安藤さんのこのインタビューを聞いて

その時間の風景を住まい手が知ったということは、

住まい手の中で、自分たちが作った家が

記憶や心の中に棲みつきつつあるという状態

なんだと思うと、なんだかその景色を作れたことが

急に誇らしく思えました。




今日、OBからメンテの依頼とともに

この場所はこの季節が一番気持ちがいいかもです

っていうメールが来ました。


きっとあの場所かなあと妄想しながら、

自分たちの役割の大きさを再認識させていただいてます。



元井