これ、独り善がりか?
2020.11.27
冬に向けて一歩、また一歩と近づいていますね
冬は好きな季節。
でも、年々足元の冷えが
増しているような気がする。
今年は靴下二重かしら。(女子か)
鵠沼桜が岡の住まい
夏から続いていた木工事が終わり、
内装工事に入ってきています。
日本家屋然のクラシカルな装いだった
家を状態の良い二階と外部の一部を残して
全面リノベーション。
フラット35Sのリノベ
を用いるため、それらの技術的基準
を満たしながら改装を続けています。
既存
改装中
間仕切り壁を抜き、ワンルーム空間へ。
天井には羽目板を全体に施工。
下屋の部分と天井の部分の貼り方向を変えている。
下屋の部分は窓に向かっていく方向に
羽目板を貼ることで、より一層窓(外部)に
目線が行き、外が強調されるようになる。
対して、天井面はセオリー通りに長手方向に
板を向けている。
床材も同じ方向で貼っているので、養生
はがすと、より一層長手方向に伸びやかな
空間になると思っている。
柱もこの部分は通し柱(1F2Fを貫通する柱)
なので、すべて残し、各所に埋木を施しつつ、
敢えて既存の加工の跡や色味の違いを
残している。
すべての窓に障子をつけて、すべて壁の中に
引き込めるようにしているので、
暮らしのシーンに応じて南側の開き具合を
調整できる。
予算的な部分で一度ペンディングになった
ウッドデッキも計画中。
ここはきっと、いや間違いなく気持ちいい。
住まい手が好みの杉を主材としながら
キッチンも絶賛造作中。
古今で杉を主材にして造作するのは初めて。
杉は、木目がはっきりしているので、
柾目か板目か縦貼りか横貼りか。
杉は使い方誤ると野暮ったく、山小屋?
ログハウス?のように木質感が
強くなってしまうので
すっごい一人で悩みました。
結論、杉の扱いは難しい。。。
年末の引き渡しに向けて、注ぎます。
妙蓮寺の住まい
先週、代田のブログでもご紹介した物件。
施工事例 妙蓮寺の住まい として、
UPしました。
余談ですが、
弊社の施工事例では、
●●の家→新築注文住宅
●●の住まい→リノベーション
として使い分けてます。
特に理由はないのですが、
区別できればいいなと勝手に
独り善がりです。
「独り善がり」
この言葉、いつも自分を
振り返るときに、一つの
指針にしてます。
弊社は恣意的・技巧的なデザインを
望まない、要はそれぞれの要素の「用の美」を
整えるようなデザインに魅力を感じて
訪問して下さる方々が本当に多い。
僕らもそこを志向し、家の、住まいの
有り方として、意識をしているので、
そこを見出して来て下さるのが本当に
有難いし、住まい手と志向が合致するほど、
間違いなくいい家、いい住まいができると
確信している。
住まい手にとっても嬉しい。
作り手にとっても楽しいし、やりがい以外無い。
これほどいい関係はない。
でも、志向が合う者同士、
一歩間違えると盛り上がりすぎて
コースアウトしてるのに気づかずに
走りすぎるときがある。
妙蓮寺の住まいでは、メインの住まい手が
80代のお母さん。
メインの施主が娘さん。
志向が近いので、例外なく盛り上がっていく
のですが、住むのはお母さんで。。。
できるだけお母さんの寄り添うように
寸法一つ一つ使いやすいように、
引手も引きやすいように木製ではなく、
金物でしっかり掴めるように
手すりをetc….各所、娘さん達と
できる限りの気づける配慮したつもりだが、
一番はお母さんが気持ちよく、使いやすく
50年住んできたところと変わりなく、
着飾ることなく、「住む」をして下さるか。
あれっ、これって独り善がり?って。
綺麗に、気持ちの良い空間に
予定通り仕上がり、ほっとしている反面、
打ち合わせの途中も、完成してからも
不安が抜けていないです。
もちろん打ち合わせして進めているし、
そこに至る経緯をご家族みんな
立ち会ってるので、そんなことはない
と思ってるのですが。
この前、お母さんにお会いしました。
その時に、正直に言ってくださいました。
ここは私はこの方が使いやすかったな。
ここから軌道修正できますか?
これで良かったよここは。正解!
うん。良し悪し。
娘さん、息子さん、お母さんが揃う
タイミングも年末までないらしい。
まだここでは生活していないので、
真相はこれからです。
この場所で生活して初めて見えてくる景色、
使い勝手。初めての入浴。
初めてそこで寝て、朝起きた時に感じる空気感。
(いいホテルや旅館に泊まって朝起きた時、
自分に合ってる場所って肌感覚で解りませんか?)
ここに多幸感あることを心から願います。
住み熟す(こなす)ことで生まれる
慣れのような、自分のものになっていく感
も生まれるので、合わせ技でなんとか。
軌道修正するものもあるし、
みんなでご飯食べようって話してるので
これから会う機会はまだまだ。
経過を見守ります。
さあ、12月。
古今、みんなで納めるものきっちり納めるよ。
古今 元井