次のフェーズ。
2024.02.26
先日の現場での職人さんと一服していた時の
会話の内容といえば、
「どこが痛い。」 だの
「血圧が高い。」 だの
「なんの病院かかってる。」 だの
歳を重ねるごとに体のあちこちの制御が効かなくなり
壊れていくのを痛感させられるこの頃。
当たり前だが、毎年毎年歳を取り若返ることはない。
自分が歳をとるということは、
もちろん周りのみんなも年齢を重ねるということ。
仕事をお願いしている職人さん方も、
自分と同じだけ歳をとっていく。
どの業種にしてもそうだが、
「手に職」の職人の仕事は、
一朝一夕で身につくものではなく、
長い修行や経験によって身につくもの。
(写真は現場でキッチンを造作する大工さん。古今では基本的に造作キッチンを現場で大工さんに造ってもらいます。)
基本現場には空調などなく、
夏は茹だる様に熱く、冬は凍えるほど寒い。
そんな厳しい職場環境では、なかなか若手が育たなく
来たとしてもすぐに耐え切れず辞めてしまったりする。
親子でやっている職人でない限り、
なかなか若手が育たず、職人界の高年齢化は止まらない。
お願いしているタイル屋さんは50歳になるベテランだが、
「下が育たないからいまだに若手なんて言われるもんな。30年もやってんのによ。。。」
「若手がいたとしても、風呂(タイルによる在来の風呂)は出来ません。とかだもんな。」
と嘆いていた。
タイル屋さんのタイル工事はユニットバスやキッチンパネルに簡略化され、
左官屋さんの左官工事はサイディングに代わり、
建具屋さんの建具はメーカーに既成品で組み立てるだけ。
と、工期短縮や原価を下げるために
簡略化されて、昔ながらの工法を出来る人が
どんどんと減ってきているような状況。
時代と逆行するように、昔ながらの工法を好み
多く採用している古今としては、
やってくれる職人さんがいなくなってしまうのは
死活問題。
現にお願いしている業者さんで、
自分より年下の職人さんは数える程度。
自分が定年を迎え、仕事を辞めるころまでは
何とか逃げ切れるとは思うが、
自分より下の世代の工務店は
本当にお願い出来る人が、いなくなってしまうのでは。
と、近頃少し先の未来が不安になってしまいます。
AIだかなんだかが、人に代わって仕事を
こなす時代と言われていますが、
腕利きの職人にとって代わるロボット等が
働く時代になるのでしょうか?
建築業界もそろそろ次のフェーズに移ろうとしているのかもしれません。
古今 鈴木