おいしいと刺激
2019.08.29
個人的に嫌な夏が終わろうとして
くれてます。
古今にシャワーをつければ良かったと
もしくは、今からでも遅くない、
ベランダにお風呂作ったろうかしらって
毎年思ってる気がする。
夏のいいところは、そうこう考えてる
内に厳しい短い夏が終わってくれるところ。
今年も何度もあー糞食らえだ夏なんてって
思ってたら、暑さが控えめになってくれて
あら、君の暑い勢いは終わりかいって
強気になってる今日この頃です。
さて、先日調布にあるマルタという
焚き火料理のお店にいってきました。
焚火料理というと、ざっくり薪の匂いが
ついて、繊細な味とは遠いイメージがあった。
どっこい、料理は、味の裏にまた味があり、そのまた
裏に風味や滋味などが素材感がドスンと感じられる料理。
日本らしい深みのある繊細さは残しつつ、
多国籍なテイストを感じられる。
薪の風味もBBQな感じではなく、
ホントに良いさじ加減でひっそりと。
本当にあまりにも美味しくてただただびっくりした。
料理で驚いたのは何年振りか。
やっぱり、達観してる何かには絶妙なさじ加減
が存在していると思う。
たぶん、個人的にも僕の舌に合っていたと思う。
合わせて、お店に食べにくると気になってしまう
従業員さんたちのふるまい。
(性格悪し)
スタッフさんたちのホスピタリティも程よく、
この店で働く気概や誇りをもって働いてるなという印象。
本当にいい時間を過ごせたし、
純粋に「好き」でした。
建物には古木や間伐材、大谷石、などの日本
をちゃんと感じる内装。
それと注目すべきは外壁。
ケボニー化された杉の外壁を使ってある。
ケボニー化。
僕も実は初めて聞く言葉でいろいろ調べたら
柔らかい針葉樹材(ソフトウッド)を硬くて
腐朽に強い広葉樹材(ハードウッド)のような材質に
変える技術をケボニー化といい、それを
用いた杉の外壁が張られている。
しかも、貼り方がまた達観してて、捨て貼りを下に張って、
7mm透かして化粧の杉板を上に貼っているため、
すっきり見える。
針葉樹は従来、内装材や外構材として硬度が不十分
とされてきたが、ケボニー化によって日本木の代表、
杉やヒノキを外壁材や外構材としてハードウッド同等の
メンテへの気遣いで使えるようになるという。
この技術は率直に常識を変えるかもと感じた。
詳しくはケボニー化でググると相当興味のある
内容がぞくぞく。調べてみてください。
環境に対しても意識が高い。
私たち自身もイぺ材(横浜の大桟橋や商業施設の
外部の床に多く使われる木)などの熱帯雨林で
伐採される木をメンテナンスフリーという理由で
ウッドデッキなどで大量に使っていくことに
何か代替できないのかとかんがえていて、
屋久杉や特殊な自然塗料を用いて耐候性を
上げてイペよりも安価だという理由もあるが
他の材料で代替することもしてきたが、
安価な材料に塗装すると塗料と手間でイペと
ほとんど金額が変わらなくなる実情もあり、
やはりメンテナンス性能でイぺ材などの
ハードウッドに代わる素材を見つけられて
いなかった。
個人的にはこの技術はすごい衝撃で、
帰り際にまじまじと見てきました。
シェフに何かありました?って心配されましたが。。。
仕事をお伝えしたら、色々裏話聞かせてくれました。
ここのシェフもオーナーも実直な物作りの人の印象。
このお店のオーナーは本業が空間緑化や外構。
日々、木と向き合い、今、日本の木の実情や
世界で起こってる問題、熱帯雨林の伐採・亡失に
加担してしまっている事実から、使われている素材
にこだわりと世間への訴えのようなものをそこから感じた。
熱帯雨林の森は毎年 スコットランドの大きさと
同じ面積が無くなっている事実、
最近のブラジルの熱帯雨林の火災による
亡失。(人災?)
自分も熱帯雨林の森を亡くしている一旦
を担っているという事実。
こういうこと書くと薄っぺらく見えるから
嫌なんだけど、でもやっぱり
まったく他人事には思えず。
ヨーロッパではすでに広まっており、
日本でも時間の問題か。
ただ、こういう新素材は、日本の一般流通には
材料の安定性や金額面、利権やetc…で
だいぶ時間がかかる。きっと。
(まずは、古今事務所で実験したい。)
車の自動運転は、100年の車業界を変えると
いわれているが、ケボニー化は、建築業界を
変えていく技術にぜひしていってほしいし、
よくある何かの利権の塊になってほしくないと心から
願う。何か自分たちもできれば。
おいしさと刺激。
考える事と口を喜ばす、いい時間でした。
古今の現状は、
種を蒔いて、実になり、収穫するという工程の
収穫にあります。
施工品質や自分たちの働き方を担保するため、
あまりにも収穫があって、全てを収穫はできない
かもですが、ちゃんと次に繋げるために踏ん張り時です。
いつか僕たちもしっかり発信できるように。