家の在り方
2022.05.29
- 来ました。
うざったい夏が。。。
まだ5月ですぜ~
勘弁しておくれ
私の自宅は、藤沢なので
浮かれポンチな人達がわちゃわちゃして
生活道路がまあ混むわ混むわ。
現場、日影がないと焦げる。
思考が止まる。
海、人多い。海ぬるくなる。
自転車で海まで行けるのに
わざわざ二時間三時間かけて
千葉・茨城・福島に逃げる。
もう藤沢離れたいと思うことも
しばしば。
こんなこと言ったら誹謗中傷だが
この二年は落ち着いて暮らせた。
嫌いだわ、夏。
さて、最近の家々。
すみれが丘の家2021
三月の現場写真。
植栽のおかげで家の重心が下がる。
より落ち着いた雰囲気になった。
お庭に植栽がある方々は
知っているが、5月の植栽の成長は
すさまじい生命力とエネルギーの塊。
そこををくぐりぬけ、
植栽はグングン成長、根付く。
来週末の真鶴の上棟が
過ぎたら各物件、植栽の緑が
そろったので各物件(4物件)
まとめて施工事例写真を撮りまくり
ホームページに掲載したいと
思ってます。
二年前にフルリノベーション
させていただき、家にお金がかかりすぎて
お庭の手入れを先に延ばしていたが、
ここにきてようやくお庭に着手。
元々、素晴らしいお庭があり、
少し硬い印象のお庭であったが、
デッキ、景石を整理し、
視線を遮る杉のフェンス、
堅木のデッキを設けて
ようやく元々このようなお庭ありきの
設計をしていた計画が活きた。
家の中と同様、また一つ籠れる
たまり場的な場所ができて
ほんと羨ましい。
日々の子育て、家事をこなしながら
夫婦ともども暮らしを楽しみ、
素敵に住みこなしてくれていて
うれしい限りです。
県内某所
この風景画のような写真。
どこよこれ。
あれ?竹富島?沖縄?ってなる。
現在PLANを
提出し、見積もり作業中の
案件の敷地の写真。
六月中旬には大勢が判明するが
まだまだクラウンチングスタート姿勢。
不動産屋さんと住まい手さんと
既存古屋・植栽・構造物などの
解体確認を一緒にしてきた。
元々、植栽が伸び切り、
古屋も母屋と倉庫で3棟あった。
古いアルミフェンスや
あまりにも巨大な景石、
いくつもの植栽が
あった中、写真のこの一本
の木だけが目に留まり、
ほかの植栽には忍びなかったが
この木だけ
解体屋さんに残してもらった。
住まい手さんも
住宅建築が好きで、
感覚を共有できた気がしたが
きっと私と同じように
健気な立ち姿と
葉の付き方に魅力を感じて
くれたのだろう、
この植栽を残すことに
賛成してくれ、
この写真がある。
何の付き合いも愛情も
まだ皆無だが、こうして既存の
植栽を一本でも残せると、何かを
引き継いで次世代につなげている
感覚になる。
そんなに大きな木ではないが、
この土地の生き字引として
ご神木として
この地を見守ってほしいと
思っている。
しっかり家の中から、貴方を
愛でれるところに窓を計画させて
頂きます!
いったんご神木の事は
置いといて、なんせこの敷地
657㎡!!≒200坪 笑
えっ、広すぎるじゃん。。。
構造物なくなってより。。。
解体確認した三人、
広っ。。。
って口々に。
住まい手の子供だけ
縦横無尽に走り回って、一言。
プール置きたいって一言。
いやいや、無限におけるよ笑
いつも横浜で斜線制限やら
隣地距離やら建蔽率やら
テトリスのように姿・形を変え
家つくりをしている私たちにとって
いつもの時間がとっても馬鹿らしく
なる土地。
いつもならそれらを念頭に
法をかわしながら
耐震・断熱気密・希望の間取り、
作り手としてのデザインの
4要素をバランスを取りながら
平面・立面を組んでいくが、
まあこの敷地の中では
自由すぎて困ってしまう。
住まい手は家の大きさは
30坪程度良いと言う。
一度、総二階の30坪を
敷地に落としてみたが、
まあTVのぽつんと一軒家みたいな。
空きスペースをどうやっても
埋められないと思い、この時期
木材・鉄筋・コンクリ・板金などが
価格が上がる中、やはり思考は
平屋になる。
でも最近、平側をファサードとして
家を作ると、軒を深く出すことで夏場の日射は
防げて、建物の外観は土地に馴染むように
作れるが、壁面が屋根でほとんど
覆わられてしまうため、冬場の直射日光
が限られた時間しか得られずらく、
家の奥まで直射日光が届かない
ために冬場の室温が体感として
寒くなるのを痛感してきた。
言わずもがな、薪ストーブ・エアコン・
暖房機に頼る家になる。
姿としての家に一定の自己満足感
はありつつも、暮らす人たちの
体感を聞いてしまうと、整えるの
難しいなあといつも感じていた。
切妻屋根の平側をファサードにした
弊社事例
天窓で内部の光量を補完している。
南に面するため、夏場は天窓付帯の
電動スクリーンにて日射遮蔽できる
寒くなるということはやはり室内も
暗くなりがちで、補完する北側の窓、
天窓で間接光を得るよう調整が
必要になるということ。
ただ安定した北側の間接光や
東側の間接光は美しく優しくも
優しすぎて温熱には
寄与してくれない。
だから、それらと共に
冬場の直射日光が室内に入るよう
計画するのは本当に今の家にとって
大事。
特にそこで暮らす人たちにとって。
掃出しの窓で直射日光を受けれると
ストーブ二個分の熱量になる。
いわば天然のストーブ。
夏場の日射遮蔽しながら
冬場の日射取得をどこまで
考えられるか、合わせて
家の外観を整え、内部空間を
温熱とともに豊かに外を
愛でる家をどう提案できるか。
この敷地に求められる
家の在り方。
吉田兼好の言葉
「夏をもって旨とすべし」
冬はいかようにも過ごせるが、
夏はどうしようもないので、住まいは
夏の暑さ対策を基本につくることが
基本であるという考え。
甚だ疑問。
おそらく、行間を読めば、
違うことを言ってる気もするが、
今でも事あるごとに住宅業界では
重んじられている。
でも年齢が上がって、寒さに
耐えられなくなってきて、
合わせて
夏場の暑さが異常で、むしろ
夏場のエアコン制御の大事さが
増している昨今。
むしろ逆で夏場の日射遮蔽を
ある程度行いながら、ガラスによって
熱量を吸収させ、冬場の自然室温
(20°くらい)を家の性能で
どう保てるか考えていくと、
やはり直射日光の導入をちゃんと
考えていかないと。
断熱は保温。
いくら断熱が上がっても、熱源が
なければ寒い。
熱源を機械に頼るか、太陽に助けてもらうか。
パッシブデザインが難しいです。
ちなみに
この敷地にはこのような
建物を提案させてもらった。
妻側をファサードにして、
南面にしっかり開口部を設け、
直射日光を受け取る玄関兼
リビング兼薪ストーブ置場を
兼ねるたたき土間にしっかり
蓄熱させ、輻射熱効果を
狙いつつ、妻側ファサードの
メリットである南に面する壁面
にハイサイドライトも考慮し、
緩勾配の屋根にして、
窓と屋根の軒の出との距離を近くして、
日射遮蔽し、かつ窓の上だけ壁を50cm
出して、家の劣化を防ぐ
というもの。
妻側のファサードは外観デザインが
整いづらく、非常に難しいと
やってみて思ったが、
この敷地のおかげで
東西に建物を広げて、敷地余りを
なくしつつ、平屋の土地に根付くような
姿を保ちつつ、温熱を考慮した形と
なるかと模索している。
建築を知ってる住まい手からも
アメリカのアイクラーホームの
フラットハウスのような体裁で、
建築家の前川國男さんの自邸のような
南面の在り方、雰囲気になるとうれしいですと。
(知ってますね~さすが。
私の設計力が問題。)
アイクラーホームの家々。
いやいや、やっぱり
前川国男さんお自邸、改めて
感嘆。すごい。やばい。
(私ごときがおこがまし)
深くない小庇で日射を調整、
ふさぎ切れないものは
内部の障子で調整。
冬場は全開放で日射取得も
自由自在。
かっこよさと整いやすすさで
安易に平側の軒が深い家を
作るというものとは一線を画す
整った妻側のファサード。
見れば見るほど、この家の在り方は
ただの懐古主義ではなく、
今の季節感、温熱の考え方
にも通づる普遍的な日本の
家の在り方を提示してる。
パッシブデザインの
日射遮蔽の考え、日射取得の考え
が全部入ってる気がする。
設計士としての役割は
一先ずここまで。
ここからは
工務店として、家の大きさは
29坪と抑えに抑えたが、
平屋だと総二階に比べて
基礎と屋根が大きくなるので
割高になってしまう予算を
どう抑えるか。
ほんと最近予算が合わない。
木の家の工務店の集まりでも
みんな苦しんでる。
木材価格を中心に値段が天井知らずで
上がりまくってる。
前の価格を知ってる我々は
非常に腹が立つ作業、
大っ嫌いな見積もりを作成中です。
ここで予算が大きくオーバー
してしまえばこの提案は、本末転倒。
次の案になってしまう。
(最悪、総二階でもこの土地に馴染むような
PLANをPLAN2として提案してます)
私も造りたい、住まい手も是非といってる中、
どうなるか。
窓もあまり高価なもの
ご提示せず、性能は良いものでも
既製品サイズで、気密に劣っても
廉価なものに。
構造もできるだけ単純化して、
木材減らす設計で。
やることやってんぞ。
あとは他力本願。
頼むぜ、木材屋さん
くどいけどもう一読み。
HOUZZさんより取材記事がでました。
よろしければ一読みくださいませ。
ここでも天窓で光量を補完、
電動スクリーンで遮蔽機能付帯、
床下ACで冬の対策してます。
古今 元井