合理的とコスパと人たらしと
2022.06.26
最近、合理的、コスパって言葉を
よく聞く。
確かに使わない言葉ではないが、
あまり好きになれる言葉じゃない。
なんでかなって思うと、
きっと過去を振り返っても
面倒くさい、手間のかかる、割に合わない
過去があって、でもそこから吸収できたことが
道につながった経験があるから
だと思う。
今の自分の価値観を作っているのも
そこが寄与しているなあと思うことが
多い。
合わせて、無駄を洗いだして、やるべきこと、
本質を考えて、省いていった結果、
合理的になったと思うことが多いけど、
その作業は、とんでもない時間と労力の
結果。
その時間と労力を他人に投げて、
自分だけが楽しよう、得しようとする
つもりで進んでいこう的な
合理性を求める人がどれだけ多いか。
効率のいいところだけ取りましょうっていう
人生論になっちゃったら、やることやって
早死にしてもかまないっていう事か?
人に迷惑かけたり、泣かされたり
している時間は、他の人の気持ちを
わかることにもなる。
一見、同じような立場の人でも
それを味わってきて培ってきた
能力や価値観を持つ人と、
合理性、コスパという得体のしれない
表層的な正当化を盾に、するするすり抜けて、
上手にその立場を作ってきた人がいる。
後者の人間側になれればどれだけ
楽かなと思ったり、うらやましくも
なるときも正直あるが、一緒に
進らならもちろん前者しか選ばない。
年を取ると自分の価値観を押し付ける、
我が強くなるは、ほんとだなーって思う。
自分と同じ轍を踏ませないようにって
いうこともあろうが、
気付けないで他人に勝手な合理性
を求めることをしないよう
気を付けないと。。。
ブログならではの一方的な
愚痴でした。
さて、さて
すみれが丘の家 2022
外構もとんでもなく時間かかってますが
やっとこさ緑も整いました。
Hさん、おまっとうさんでした。
すいませんでした。。。
横浜市からの記念樹もあるそうで
(なにそのシステム、
この場所で仕事して10年、初めて知る。。。)
今後の生育が楽しみです。
真鶴:M邸
海に面するテラス部にサッシが
入りました。
当初は全解放の木製サッシも考えたのですが
ガラスの範囲、予算、使い方などを
総合的に判断して既製品サッシで
対応しています。
隣地の緑と奥の海が醸し出す
遠近感が素敵やな~
この物件は、東側、南側、西側と
北側以外すべての窓から海VIEW。
ここんちは
それを窓で切り取るために
土地に対して建物を斜めに振っています。
隣地建物や背の高い植栽から
目線を遠ざけて、それらとまともに正対すること
なく、隣地との間に空間を作ることで
生まれる景観をこの周辺環境下で
この建物からどう切り取るかを
考えた結果でした。
この提案に当たり前ですが、
最初は住まい手さんも不安で
現地でも確認し合い、
最後は決断してくれましたが
なかなかこの形は
土地を贅沢に使うので
戸惑いもあったかと思います。
でも、先日、現場に来てくださり、
窓の抜けを確認頂き、バッチリですねと。
上手くいったとほくそえんでいましたが
正直ホッとしました。
家がもう8割方完成しました笑
無事に住宅性能評価の
耐震等級3構造検査、
床、基礎の断熱の検査を経て
次の段階に進んでいきます。
相模原:T邸
こちらは、天窓。
周辺環境が分譲地内ということで
空に開放性を求めました。
雨センサーが付いていて電動で開閉です。
北東に向いているので
優しい光が落ちてきます。
前に和泉の家で上手くいった
天窓を今回も求めたくて提案しています。
二階LDKの時には必須です。
ダイニングの上に設置してるので
Tさん夫婦+娘っ子に
優しい間接光の中で日曜の
ランチを食べてほしいなと
想像しています。
上手くいけば
星を見ながらディナーをと
思っています。
和泉の家の住まい手が
定期点検の時に話してくれましたが
意識的に開けておくと、びっくりするくらい
空気が流れてほんとに涼しいと。
一般的には
重力差換気と言います。
1階の風の取り入れ口の
南面窓と吹き抜けや階段スペースを介して
2階LDKの天窓との高低差を利用して
気流を生む形です。
昔の家の越屋根も同じ原理。
ここの高低差があればあるだけ、
気流は生まれ、温かい汚れた空気は
上昇気流となり、上に運ばれ
排出されます。
実は、なんら新しいことではなく
先人の知恵を今の住宅事情にアジャスト
しているだけ。
隣家に手が届くところに立つ
京都の長屋も同じ原理で
居住性と快適性を保っている。
周辺が家々で囲まれた分譲地域内で
壁の窓も十分に開けづらい環境下では
必須な手法。
それの副産物の間接光で
食卓も気持ちよくって一挙両得。
天窓よ、
合理的でコスパが良いって言いたく
なるわ笑
こちらは
屋内と屋外を電気配線でつなぐための管。
この辺りも昨今の家の気密化
にとって必要不可欠な処理。
古今では、こういう部位の
処理を監督が自ら行います。
原理原則を知らない人が
こういう部分をやるとどうしても
クチャっとなる。
専用部材を使って
しっかりぴっちりと。
家を作る作業の過程では
このような部分が至る所にあって
やる意味を理解したうえで
処理するとチリ積もで結果として
家の性能が変わってくる。
しかもそれが如実に出るのは
住まい手が住んでから。
もう後戻りができない出来ない事が
圧倒的に多い。
私たちのような
家つくりには積み重ねた先の
無駄を省いた合理性はあっても
手間から逃げる、楽をしようっていう
という短絡的な合理性は無い。
そして、コスパは最悪。
一つ一つその工程内で
そのタイミングでしか出来ない事を
確実に処理していく事で未来に
遺せるものがあると信じてやってます。
大きな結果で差がつくのは実は
様々な建築材料が劣化し始める
15年から20年くらい先。
様々な素材の劣化・収縮膨張で
隙間が生まれやすくなる。
だからやれるときに
やれるところだけはやっておきたい。
折角、家つくりを生業として
しているなら、現時点での選択肢で
良いほうを選択し、ちゃんと
こだわっていたいなと思っている。
元井家の王子、助六(すけろく)。
長毛がゆえに、この暑さでだるそうにしていたので
初めて会社に連れてきたら、猫あるあるの
作業してるPC前で邪魔をするように爆睡。
猫は家に付くって言われるくらい
環境の変化には弱いって思ってた
けど大胆な奴だわ。
こいつは人ったらし。
猫飼い同士、猫好きなコミュニティーで
あることも幸いし、
隣家の方々にも愛想を振りまき
チュールを期待してるやつ。
合理的とは違うけど、
距離感が上手いんだよな。
こいつのように世渡りして
いきたいもんです。
古今 元井