2022年12月4日の思ったこと
2022.12.04
いま、巷を賑わすW杯。
会場はすべて、
冷気は比重が
重たいため下に溜まる性質を利用して
設備コントロールでピッチコンデションを
適正温度に整えているとのこと。
(外気温40度近い)
そのうち、地球丸ごと
設備コントロールみたいな
ものもあるんだろうなと思う。
家づくりもそうですが
環境側面・変化に対して
どこまで(自然)寄り添い、
どこまで(設備に頼る)抵抗するか
本当にここ最近、家の在り方を
よく考えます。
無関心ではいられないのです。
わたくしお得意の
「なんのその精神」も
暑い寒いには体が無抵抗。
寒いところに立っていると直ぐに
足先の感覚が無くなり、芯から
体が冷えてしまうようになった。
歳やわ~。
冷えた下半身を緩和する
車のシートヒーターが
欲しくてたまらない最近なのです。
上釈迦堂の家
浄化槽を設置、補助金のための
書類を集めて、ようやく完成。
背が周りよりも低くて
ひっそりと佇み鎮座しているっていう感じが
出ていて好きな景色だ。
予算的にも
縛りをお互いで付けつつ、
私も余計な事言わない、でも
違うなあと思ったら口を
出させてもらいながら、
この環境を生かす形は譲れないポイントと
して、一緒に作ってきました。
上釈迦堂の家、個人的好みシリーズ。
① リビングSOFAからの眺め
これありきでの家つくりといっても
過言ではない。
背中には塗り壁とソファが擦れないように
ソファの上面まで突板を貼っている。
視線や高さなど、細かい部分も
検証していった結果の空間。
この家のここが個人的好みシリーズ
②小上がりスペース蓋
手動で穴に手を入れながら背板の方へ
立て掛ける。
座卓になる。
膝の裏に当たる木を丸くするのも
忘れない。
小上がりで寝るとき、蓋をセット。
座卓の時は蓋をアナログだが
隙間に立て掛ける。
衝立が二つあり、それに蓋の荷重を
かけて行えるので
スッと軽い力で行える。
戻すときは
衝立が座卓内にあり、それを
引っ掛けながら持ち上げると
テコの原理でスッと軽い力で蓋ができる。
蓋があることで、脚を伸ばすことができ
背の高いご主人もここで寝れる。
限られた大きさの中で、
省スペースに小上がりを作って
ほしい要望を頂いたため、
最初はLDKが空間的に細切れでせせこましくなる
のが嫌でやめませんかと言おうと
したのですが、やはり背中を押したのは
この景色とあらゆるところに
居場所がある家という目標のため。
ミニマムですが、多彩な使い方が考慮できる
居場所の一つとして、リビングの一つとして
このような形としましょうと決めていきました。
思ってたよりもいい空間で
凄く落ち着きます。
小上がりの窓からも
違う方角の海が見えて
儲けた気分になりました。
意図を持った、
家の中の居場所づくりは大切。
建築屋の腕の見せどころ。
この家のここが個人的好みシリーズ
③階段引戸
これをつけるメリットは、
二階LDKの際、W杯のスタジアムの
空調と同じで、冷気は比重が重たいため、
床付近の下に溜まり、下階に階段室を通り、
冷気が逃げてしまうので、それを防ぎ、
二階の冷房効果
を上げるもの。
もう一つは、小さいお子さんであったり
ワンちゃんが居る家庭での二階LDK
は、落下防止の考慮も必要になってくる。
(自分が作った家での悲劇は本当に嫌だ)
そのため、鍵を施錠できることで
2階LDK時のデメリット、落下防止
の観点を打ち消してくる代物。
それをいかにシンプルに
操作性良く、雰囲気に馴染む
建具を設計できるか、
結構これも一人で悩んだ
鴨居(上枠)をつけずに建具を吊ることで
開き戸にならず、引き戸で省スペースで
生まれるメリットは大きいが、
建具自体が揺れてしまい、ブレが生まれるのが
課題であった。
そのブレを微調整しながら
大工さんと建具屋さんと作りました。
結果として、すごく上手くいきました。
鍵もブレがないので
上手に施錠できます。
個人には一番納得感高いです。
他にもいろいろ、こだわっていった
部分有りますが、自分の手元から離れていく
一抹の寂しさはありますが、
ここからは住まい手が
どう住み熟すか(すみこなす)。
楽しみです。
北鎌倉の家
上棟を終えて、サッシの取り付けの段階。
二か所、すごく気になっていた窓があった。
一つはロフトの窓。
敷地が囲まれている立地で
南面も二階までは隣家の陰になり、
採光は期待できない環境。
模型製作時に
隣家を作り、検証した部分は
ロフトの窓で、うまくいけば
隣家の屋根上から、南面の
陽光を享受できるのでは
と提案していた部分。
模型提案
実際の現場
ロフト窓からロフト、
2FLDKと吹き抜けを介して
ロフトを繋ぐ障子に向かって
陽光が差し込む。
素晴らしいくらい
上手く行ってます。
この立地でこの南面の
陽光は本当にありがたい恵みです。
二つ目はコーナーサッシ。
キッチン前のコーナーサッシで
鎌倉の山側を愛でる窓でもある。
住まい手が一番気にしていた部分で
個人としても検証はしていたが
不安の要素でもあった。
この敷地は準防火地域の為
防火サッシとなり、この部分は耐熱強化ガラスを
用いて防火サッシとしている。
サッシ幅も致し方がない
ことだがもっと幅のあるサッシを
使いたかった。
結果は、まあ何とか。
サッシ開口部分。
東と北向きで
隣家が平屋という部分もあり、
安定した光を
今はしっかり享受できそうだ。
思ったより、平屋の屋根が見えるなあ
と思ったのが正直なところ。
このあたりは、
サッシの框枠を木で消していったり、
(ガラスのみ見えるように)
キッチンの造作物と色々干渉し合う場所
ので気が抜けません。
敷地がコンパクトで
資材の置く場所がなく、来週使う予定の
木材ですら、当日入れにして
使い切って、また次の材料という
風に置く場所前提で
発注しないと身動きが
取れなくなり、なかなか大変。
大工さんと密にコミュニケーション
取りながら、監督しての気の使い方が
試されてんなあとも思える現場なので
労力は増えても、誰誰任せにせず、
設計監理・施工管理したいと思っている。
いまだに家つくりは、検証考察の
繰り返し。
思い切った挑戦は住まい手の家では
出来ないし、ある程度の確実性のある
検証をしての挑戦が求められる。
よく、
センスという言葉を耳にするが、
私見では、
大多数が生まれもったものではなく、
日々の小さい検証と考察ができる人が
センスという何者なのかわからないものを
後天的に得て、日々それを磨いていくひとのみ
その人の感覚指標として得られるものだと思っている。
もちろん、絶対的な
先天性の才能という名の
センスは存在する。
私は、そこが足りていないのを
自分で感じていたからこそ、
設計者として現場でつくることで
そこの足りなさを補おうとしている。
先天性のもので片づけると
もう。。。やってられません。
後天的なもので、その積み重ねが
生業として人に役に立つなら、
是非やり続けたいと思っています。
古今の良さ、自分の良さは
ダメなこと、苦手なことを自分で
知っているということだと
思っています。
知っていれば前もって先回りして
人並みのレベル位には
もっていける。(ほんと?)
文章にすると、
我ながらしぶとい奴だと思います。
思いつめないよう、ちゃんと
ガス抜き手法も確立してるから
っていうのも大事。
人生は長いけど、短い。
今、やれることから。
古今 元井