自然素材を利用した新築注文住宅 リフォーム リノベーションを提案する神奈川 横浜の建築士事務所

home

お問い合せ

Facebook

神奈川・横浜を中心に自然素材での注文住宅
リノベーションの設計・施工会社

新しいのに、懐かしい。

古今について

住人問色の住まい私たちは目指していきます。

HOME > お知らせ・イベント情報 > 1%

1%

2024.04.06

私は、建築の学校に行っていたときから

なぜか教科書で惹かれる建築があった。

 

かの有名な建築家 村野藤吾の世界観がそれだ。

 

今でも日本全国に建築が残っている。

サイト参考

 

中でも村野藤吾らしさ全開なのが

日生(日本生命)劇場。

劇場の中は壁も天井も全て曲面で構成され、

壁面はガラスタイルのモザイクで

青・赤・ピンク・白・金の色が鮮やかであり、

天井には色付きの石膏に二万枚と言われる

アコヤ貝が音響のために貼られている。

 

合わせて

階段の魔術師と言われていたので、

階段が特にいつも

エロいというか

なまめかしいというか

セクシーというか。

 

日生劇場は

実際にまだいけていない。

 

行われる演劇を一緒に見たい欲もあり、

いつか演劇共に拝見し、

音の響きや人が入ったときに

どう見えるのかという劇場として

の建築の実用感も含めて感じたいから。

 

こんな生命感溢れる自由な

建築を作るのだからよっぽど

建築家としてワンマンなんだろうと。

 

ところがどっこい。

 

後に村野藤吾の特集の雑誌でみたのだが

 

「与条件を離れて建築家に与えられる余地は

いつも1%しかない」

 

「1%以外の99%はクライアントと話し合いすべき内容、

自分に任せたから自由にできるなんて大それたことだ」

とも言っている。

 

村野藤吾はその1%を「聖域」言ったらしい。

 

こんな私でも、自由に自分を表現できるのは

1%程度なんですよという謙虚さと取るか、

それとも

私だったら、自由に自分を表現

するには1%で十分だ

という自信と取るか。

 

えっ?たった1%?《日生劇場》なんて

『ほとんど村野』なんじゃないの?

って僕は思ってました。

 

でも実際外部は

当時隆盛だったコンクリ打ち放し仕上げ

ではなく、未来に残すために

100年持たせるというコンセプトのもと

石張りのビシャン仕上げ。

 

当時の建築界から旧時代的な建築だと

批判を受けたけど、実際の村野は

ただ人間が使う建築としての

自然な感触と耐久性、街の風景を考慮すると

自ずとこうなったということを言っている。

(コンクリ打ちっぱなしは年数立つと

どうしても廃墟のようにみえてしまう)

 

天井の湾曲に関しても

1/10の模型を作り、土で湾局面を作成し

何度も音響実験を重ねてこの天井の湾曲に

自ずとなっていったと言っている。

 

だから村野の言う「1%」は、決して、

偽善的かつ自己満足的な観念や想像

から生まれ出てくるものではなく、

あくまでもクライアントの要望や

実用性があり、「用の美」が表現された

残る建築を作っていたということ。

 

同じ同列では決してないが

私の仕事にも置き換えられて

 

「1%以外の99%はクライアントと

 話し合いすべき内容、自分に任せたから

 自由にできるなんて大それたことだ」

 

という言葉はいつも、心にある。

 

口には出さないが

クライアントに対し、マイナスの

感情を抱くときはままある。

 

その時は村野だって

こう思ってたとのだから

と思うことで、心をなだめています。

(限度はあるけどね!)

 

それでも僕は、村野さん「ホントに1%?」

とは思ってはいます笑

 

多分、我々から見て自由に感じるものは

彼から溢れ出てくる想像力にとっては

1%程度だったということなんだろうと。

 

弊社の家づくりOBで50を超えた

いまでも超絶多忙のグラフィックの仕事を

している人生の先輩がいて、ご自分が

いつもデザインしている側で、家づくりに

なったら初めてデザインされる側になったとき

私に対して言ってくれた、いまでも

胸にしっかり秘めている言葉たちが

あります。

 

諸条件があるなか、

クライアントをどうやって上手に

ランディング(着陸)させてあげられるかが

私たちデザインの仕事に最も

求められる業務。

 

自分の想い通りにしたいなら

趣味でやればいい。

 

予算、方向性、コンセプトに

合わせてベースを作り、

そこに初めて自分ならではの

スパイスを落とし込む。

 

求められる「仕事の落とし所」を

デザインの周囲にあるマネジメント

すべきもの(耐震・断熱・予算・工期)

も含めて模索をして

決してそれを間違えない。

 

 

ブログ書いてて思った。

これ村野さんの1%だって。

 

世の中には尊敬すべき人が

間違いなく居る。

 

自分もそのような人たちの

背中を見てきたが、もう45歳。

 

もう見せる側です。

これを描くことで自戒し、精進していきます。

 

 

 

S邸

施主検査前はいつも文化祭の慌ただしい

準備の終盤を思い出す。

 

TO DO リストを作り

一つ一つ仕上げていく。

 

そして、その場は設計と監督の

反省会の場でもある。

 

決して手は停めずに、

マスキングテープ貼りながら、

コーキングしながら、ビス止めながら。

 

打ち合わせ中にそれだけはNGの方が

良かったかね~とか、

ちょっと施主さんの前では言いにくい

ことも。

 

この反省会は、本当に質の良い

血肉になり、次に生かされます。

 

 

今物件は、今までの古今になかったテイスト。

 

施主さんのデザイン力、空間認識能力が

異常で、この物件こそ「村野の1%」

ならぬ「元井の1%」で設計したというより

施主さんがやりたいことの

整理整頓・マネージメント

させてもらった感じ。

 

監督の鈴木もこれはいつもの1.5倍

手間かかったと漏らしていたが、

言うは易く行うは難しで

この白使いのライン通る、

どこか教会建築に通づる

精神性のある空間は

マジで難しい。

 

この類の建築は

一見、シンプルで安易に

見えるのが通例だが、

バランスで成り立っているため

幅や高さ、色味、素材、あらゆるものを

少しでも間違うとバランスが狂う。

 

私も打ち合わせではこうしましょうと

言ったが、後で見直して、やっぱりこっちだな

とか最終図面の修正で、よくよく見たら

これは合わせた方が良いなと思えて

施主に打診したり。

 

とにかく悩んだなあと思います

 

障子の桟を淡い白にしたり、

樹脂サッシの枠を消すため

網戸を作ったり、各所Rを

バランス見たり,

照明の位置を微妙にずらし

空間に適合するようアジャスト

したり。。。etc

 

図面だけでなく、現地で同じ目線で

施主さんと鈴木が見張ってくれたから

成り立った。

 

無事にお引越しが済み、これから

住み熟してもらいます。

 

この緊張感のある空間を住み熟せるか否かは

貴方たち次第だよって偉そうに

はっぱをかけてきましたが

この方たちならやるだろうなと思っています。

 

また今後が楽しみな物件が生まれました。

 

外構もしっかりやりたいですね、Sさん!

また完成写真はいつかどこかで。

 

 

 

M邸

こちらも外構が終わり、お引越しが済みました。

自分で設計施工しといてなんですが

本当に羨ましくなるくらいの家になりました。

 

完成写真はまたいつかどこかで。

 

 

 

お引越し後日、自分が棚をつけるのを

忘れてて、施主さんから、忘れてる~って

呼び出されたときの写真。

 

この家自慢の本棚。

 

手がちゃんと入る隙間もあり、

施主さんとすごいって喜びました。

 

実は、これは狙ったかどうか定かでは

なく、確か施主さんが寸法を指定して

くれてそれに各部の寸法をバランスよく

合わせたなあと。

 

まあ、、、結果オーライ。

 

 

春らしく、私たちの育てた家が

次のステージに送り出すような

嬉しくもあり、寂しくもあり。

 

どちらかとうと嬉しいな、やっぱり。

使ってもらってなんぼ。

 

これからどんどん年齢的に

気付かずに

図々しくなる年齢の私。

 

冷たい目線を全く感じない

おじさんおばさんが本当に目につく。

 

家づくりも、人間性も決して

謙虚さを忘れず、でもそこに

自分らしさのスパイスを入れる事も

忘れずに、表現していきたい。

 

 

古今 元井

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

pagetop

古今

Facebook

〒227-0062 神奈川県横浜市青葉区青葉台2-32-5

Copyright c 2020 KOKON CO., LTD.