はや半年と一年。
2016.11.03
着工してはや半年。
藤沢の片瀬山で施工していた物件が竣工いたしました。
この案件は仲間との共同作業物件。
住まい手さんとも8年来の知り合い。
たまたまが重なって、私が現場の施工管理をすることになりました。
藤沢という地に似合う趣と日本的な庇の深さが共存しています。
洋の中のあえての障子。
障子を北側で用いると、紙に透過する光が
柔かくて好き。
帰ってきたら、リビングの光がガラスを透過して玄関ホールへ。
このオレンジの光により、これからの季節、
外気温と内気温の実際の温度差以上に感じる
あたたかさの違いとともに、ウチに帰って来た感満載な気持ちに
になる仕掛け。
屋根の天窓が漏れる光。
黒鉄繋がりの階段手すりから薪ストーブ。
キッチンからリビング全景
普段は設計する立場の人間として
他の設計士の仕事と触れ合う機会はそうそうありません。
久しぶりに自分の設計ではない物件に携わり
(何年ぶりだろうか?10年くらいか?)
建築を始めたころの初心が蘇りました。
この物件に関しては
こういう見せ方や見え方もアリだな~
こういう風にするとこう見えるんだな~
っていうような、現場監督に徹して、美しい現場の納まりなどを考えな
らもどこか客観的に物件を見ていたように思えます。
そうした目線からしか得られないモノもあるんだな~と。
話が少しわき道にそれますが、ある人が柔道が強くなりたいと思って
柔道の本を沢山読んでもきっと強くはなれないです、きっと。
実際に相手と組み合って投げ飛ばされたり、怪我をしたりするなかでし
か強くはなれないと思っています。
建築力も同じような気がします。
紙の上から実際の建物が立ち上がる瞬間を体験すること・
自分の中での臨床試験を繰り返すことで初めて、
住宅とはなんたるかを知ることができると思っています。
あらためて、建築力は現場でしか学べないし、設計施工のスタイルこそ
自分たちの進むべき道だと再認識した次第です。
お次はお引き渡しから一年後。
先日お伺いさせて頂いた古今OB宅の一年メンテ。
マンション工事もあって立ち会わせて頂きました。
本作りのプロのご主人
お花屋の奥様
やっぱり素敵に暮らしておられました。
僕ら設計士は竣工後すぐよりお引き渡しして春夏秋冬を
一通り経て、住まい手の色が入った暮らしを見せて頂くこと
に最高の喜びを感じます。
ホントに嬉しかった。。。
(Kさん、勝手に写真撮ってました。。。すいません)
(勝手に後姿だから大丈夫かとブログ掲載です。。。すいません)
そんな中、無垢板の扱いについてちょっとした課題が。
Kさんの住まいでも無垢板が壁に貼ってあるのですが
古今の社屋で実験していたので、大丈夫かとたかをくくっていたら
びっくりなくらい反ってました。収縮も。
環境が違えば成長が違う。
人と同じですね
幸いKさんはおおらかな方達。
結構なスキマですが、しょがーないですよね、木ですからって。
Kさんご安心を。その言葉には甘えません。
木は二回くらい春夏秋冬を経ると、収縮も反りも落ち着きます。
そのあとにしっかり、埋め木させてくださいね!
KさんとKさんの住まいは
今度、取材形式で古今のホームページに出てもらおうと思っています。