オリジナル
2023.02.11
年明けの寒波は騒がれていたほどではなかったからか、
今回は完全に甘く見ていた雪予報。
朝からお昼前までは戸塚区にいて、現地はみぞれ交じりの雨。
全然平気じゃんと思い事務所に戻る道中、
保土ヶ谷パイパスに乗ったあたりから、吹雪のような天気に。
旭区あたりからこの景色で恐怖に震えました。笑
社用車はノーマルタイヤの2駆。
環状四号線は起伏が多いうえに結構飛ばすんですよね皆さん。
一面銀世界の景色を楽しむ余裕もなく
ガチガチにハンドル握りしめ何とか帰宅。
生きた心地がしませんでした。。
そんな中でも現場は止まるわけにいかないわけで、、
戸塚区のマンションリノベ
絶賛仕上げ工事中です。
既存部分の下地処理に時間はかかりましたが、
クロスも仕上がり建具、タイルも完了。
障子の動きや納まりに直結する取り合いに
てこずりはしたものの何とか納まり一安心と、
圧巻の雰囲気にしばらく見とれていました。
物件自体の造り込みが少ない分、
今回の住まい造りのアイコンである大開口の障子には
吉村障子と呼ばれるデザインを採用し
住まいに合わせてアレンジを加えました。
吉村障子とは、、
建築家 吉村順三氏が発案した障子デザイン。
特徴は外枠も内枠も(桟とも言います)同じ見つけ寸法で造り、
閉めたときに1枚の障子に見えるような設計の障子。
(お恥ずかしながら吉村障子を知らず、今回採用するにあたってルーツやディテール、調べました。笑)
今回は例に倣い外内の枠は18ミリに統一し、
シンプルな空間にアイコンとしての主張を強めました。
障子のデザインを統一するにあたって
左右で空間の違う用途としての役割は残しつつ、
引き込んだ際の納まりにも注力しました。
上記では引き込んだ際に1枚に見えるようにとありますが、
実は左の3枚引きと右の2枚引きでは障子のサイズが違います。
開口上右側の2枚引きの方が大きいです。
閉めた際に桟の影が合わない懸念も
間の壁に引き込むことで影が映らず、クリア。
とかなんとか、色々と考えが詰まっていますが
これ以上はこっぱずかしいので、、、
こんなことしてみたり。
設計 吉田五十八さん 旧岸邸の障子のディテール。
自分で落とし込んでみたらどうなるのか
良い方に作用するのか否かも含めて色々と試行錯誤。
僕は0から1を作り出せる人間ではないようで、
だからこその、見て触って造って組み合わせての
一通りが詰まったモノが作れたのではないかなと思います。
オリジナルに一歩近づけたかな。。
これが積みあがって家になる、ほんの一部のご紹介でした。
増島健人