考えて、立ち帰る
2023.05.12
大型連休。
毎年恒例、大して休めない。
GW、お盆、正月。
会社としては世間よりかは長く
休みを取るけど
他者から影響受けず、落ち着いて
考えたり、設計を進めたり、
普段の現場脳やお金脳が動いてると
出来ないことをやれる貴重な期間。
このような期間で
個人を取り戻し、
くちゃくちゃしてたのが
すっきりはするのだが、
結果、休み明けはいつも
考え疲れて、始まったのに
終わった感あるくらい考え疲れてる
事が多い。
これをワーカホリックっていうかしら。
良くない。
結局、今回も例外なく。
止めたいけどやめると
現状維持(衰退)しそう
でやっておきたくなる。
今回は、休み明けにすぐに
過去の油断の蓄積からのトラブル発生、
直ぐに鎮火できてよかったけど
寝れない寝れない。
翌日、
住まい手夫婦の感覚鋭いがため、
いつも3人で感覚を
すり合わせるような打ち合わせになる
ナイスガイ・ナイスガールのご夫婦、
お子さん三人の住まい、
館町の家・S邸の設計打ち合わせ。
疲れるけど、楽しいですねー。
その翌日には
お施主さんからは個人上あまり
明かさない話になってるのだが
神奈川県某所 M邸
の地鎮祭で用意をほぼ自前で揃えるという
失敗できないので
勝手に1人で重荷の難儀な地鎮祭があった。
(これはこれで楽しかったし、
施主も楽しんでくれていたので一安心)
多分、ノミの心臓を持つ
わたくしはなんだかそれぞれでそわそわして
緊張し続けていたので、本日金曜、
なんだか考えるの嫌だ。。。
来週からは、M邸着工で
自分での設計・現場監督物件が着工するので
今は一回、一息しなければならないという
脅迫観念がすごいです。休憩します。
そういえば、地鎮祭のM邸で
神主さんから祭りの後に頂く
家の下の地中に埋めていくお守り、
鎮物を預かり、これ何が入ってるんだろうね
で施主と話してたら、開けても良いんだよ、
良かったら開けてもOkと神主が
言ってくれて、
お守り同様、見たいけど
バチ当たりそうで見れずに
建築始めてから早20年。
始めての御開帳。
7種の神器が。。。おおお、想像以上に素敵。
きっと神社さんによって入っているものが
違うと思うけど、これは高貴で、
今まで以上に
丁寧に扱おうと思えるものでした。
いわゆるプロ施主と
建築系SNSで呼ばれるほどの
知識をもって、古今に来てくれ、
過去一であろう、
造作工事のオンパレード。。。
勝手に私だけ緊張感のあるM邸。
正直、ビビってますが、
(ビビる必要はなくて、今まで
経験した造作工事が
塊みたいに一気に来るので。。。)
苦しくも楽しみながら
自分の役割を全うする所存です。
青山の家
解体当時、既存家屋やお庭の景石などを
ほとんどを撤去して、唯一
住まい手と話してチョイスした
気取らず、美しい、雰囲気の良かった
一本の庭木だけを残した。
土地が広くて
掴みどころがなかった
敷地に一つの目安ができたことが
よし、なんかいいPLANができそうだぞ
と思えたことを思い出します。
春になり、木に花が咲き、ようやく
この木が何者かが解かった。
ハナミズキでした。
たいして詳しくはないけど、
特徴ある花房。秋には実を付け真っ赤に色づく。
この庭木を愛でるために、全開放の
木製サッシを採用し、
その前にテラスを設け、木を愛でれるように
建物を配置している。
まさにシンボルツリー。
住まい手とこのテラスの名前は
ハナミズキテラスですね、
と話しています。
大工工事、絶賛、真っ最中。
勝負どころです。
個人的には
このテラスの在り方も良かったけど
道路レベルに高低差があるため、
平屋の屋根レベルと
揃ってしまうこの景色も好き。
地中に埋もれて見えることで、
風景に馴染みます。
なかなか見れない光景。
すごく気にいっています。
現状、
正解がわからない未知なやりとりが多く、
気が滅入ってしまうことも多いけど
やるべき役割は
多分、こうなんだろうというのが
明らかなので、まだ頑張れます。
そこが明らかなのは
40代壮年期の経験を積んできた
特権かもしれないですね。
SWEのグレゴール・パウルソンは
表層的なデザインではなく、
機能性や必要性を備えた美を求めることこそ
究極の贅沢だと言ってます。
(名古屋での北欧展見に行きました)
民藝の祖、柳宗悦さんの「用の美」や
アーツ&クラフツ運動の思想
と同じ意味だと思います。
住まい手と作り手が
この共通認識を持てたら、幸せだし
きっといい家が建つんだろうと思います。
悩んだ時はここに立ち帰る。
住宅デザインにおいては
一生かけて追い求めていく
思想だと思っています。
古今 元井