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木々の日々

家づくりについて古今の想いを日々綴っております。

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喉元を過ぎても・・・

2024.01.14

また一年が始まりました。

 

神も仏も絶対いないよね、

居たらこんなこと絶対しないでしょって

いう始まり方。

 

阪神淡路、熊本、中越など

二階建ての木造が揺れやすい

周波の揺れの地震。

 

合わせて

輪島という

道路に面し、道路側に開く形で

一階が全てガラス引き戸で構成、

2階が倉庫で屋根が瓦という、

重厚感、趣はあるけれど

頭の重たい昔ながらの典型的な

商店建築が集まった、

もしくは残っていた

という地域の特性上、

とても被害が大きく

耐力的に弱い一階の道路側へ

2階と屋根が覆い被さるように

倒壊している。

 

その倒壊の仕方が道を塞ぎ、火災への

対処の妨げとなり、さらなる被害が

拡大した。

 

ここで起こってほしく無い

場所で

タイミングで

地震の種類で

という

良くない側へ全部が

振れてしまった。

 

曲がりなりにも建築に携わる

人間として、建物が潰れて圧死という

亡くなり方を見聞きするのは

どうやっても他人事ではなく、

どうやっても

心が締め付けられる。

 

 

自分たちに何ができるのか。

 

 

このような景色を見ると

風景、町並みを作るでもない、

都会に数多ある売るための、

もしくは奇をてらった見た目だけの

デザインが如何に無意味で、

命のシェルターという

本来の建物の本質から

いかに遠い存在であるか

再認識させられる。

 

 

同じ建築従事者として

あの景色を見てもまだ

そのような建築を作り

続けるのだろうか。

 

 

あくまでもデザインは

目に見えない居心地を産むデザイン

温熱環境を整えるデザイン

そして、耐震デザインの融合で

あるべきだ。

 

 

何かを突出させるために

何かに偏り、何かがはみ出るのは

ただの自己顕示欲だ。

 

 

社内でも年明けの

開口一番、みんなでこの話を

しました。

 

 

建築士の端くれとして

何ができるか。

 

 

まずは、今、目の前にある

従事する信頼して任せて頂いている

建築のなかで、命のシェルターとしての

住宅の機能を損なわせないために

自分に何ができるか、それぞれの

タイミングの中でやれることを

模索、実行していくこと。

 

そして、

喉元過ぎればこれらの意識が

薄くなって行く人間の性に、

過剰に求められる

施主の要望の前に、

作る側の理性で繋ぎ止めるように

いつも家の設計の際は、

ここだけは死守するという

自分たちの耐震リテラシーラインを

守りながら上記の他のデザインも

同居できるよう苦心していきます。

 

 

2024年の抱負です。

『和して同ぜず』

 

 

それぞれの置かれてる立ち場、

知らないからこそなんだけど

一方的になる意見など、

理解は示せる無下にはしないけど

私のここの分野の守るべきリテラシー

ラインはここだよー、

これは越えないでねーは

きっちり守ろうと思います。

 

 

 

某所 M邸

仕上げ工事真っ最中。

写真は

建具屋さんの造作の

杉の雨戸です。

 

雨戸は塗装したてで色がまだらです。

(戸袋のように紫外線に当てると

均一の赤褐色の色味に)

 

これも喉元過ぎればで

建築側としてホントに怖い、

大型窓に対しての処理。

 

3年前❓4年前の台風19号

で実感しました。

 

家の屋根が飛び始める

伊勢湾台風並みの

50メートル以上の強風が吹き

荒れるレベルのもの。

 

弊社では被害が無かったものの、

自宅では木製フェンスが倒れたり、

仲間の工務店、千葉の館山などでも

屋根が捲れたり、ガラスに物が

運悪くぶつかり飛散したり。。。

 

なので、設計するお家の

前面が開けていたり、高台の

敷地であったり、

道路に面していたり、遮蔽物と

しての隣家が無かったり、海と

近かったりと環境は様々ですが

掃き出し窓側が

風が抜けやすい環境である場合は

やはりあの怖さを今でも

思い出すと、打ち合わせで

ダサいけどシャッターや

木製サッシの場合は

造作の雨戸をつけて

もらうことへの必要性も

個人的努力義務として

お話しするようにしています

 

 

結局、体感的建築

リテラシーの問題。

 

リテラシーってやつは

体感しないと伝わらないし、

立場、環境、対人によって

流動的で可変性のある

とても曖昧なライン。

 

和して同ぜずもそのライン

が違う人間からすると

ゴーイングマイウエイに

映る事もあるだろう。

 

人間の性で喉元すぎても、

体感的建築リテラシーだけは

設計士の端くれとして

いつも意識してもしてなくても

腰のベルトに居る

巻尺スケールの様に

建築心の一部屋に居てもらおうと

思っています。

 

古今、4人ともいきなり

全力疾走の年明けでした。

 

 

 

古今 元井

 

 

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