a place for good time
2019.02.23
a place for good time
良い場所は良い時間を作る
昨日、参加した会合で建築雑誌編集長が
良い家には当たり前の顔してこれがある
という話があった。
確かにそうだ。
言語化を敢えてしていないだけで
体では実感している気持ちいい場所が
良い家にはあると思う。
しかも一つではなく、家の中にいくつかある。
この季節この時間帯は
ここが気持ちいい、
この場所の一番気持ち良いのはこの季節の
この時間帯だ、のように、猫のように
その季節その日その時間で居場所を変えていける
場所をもつ家は、a place for good timeの家
だろう。
綾瀬の家 (KOKON HUT 第二段)
この家でもその場所作りをつくろうと
思慮している。
この敷地の最大のウリはこのビューだ。
一番ビューがあるところ、採光と通風が良いところに窓を設けて
そこにベンチ代わりの階段を設置。
階段を1Fと2Fを繋ぐだけの「通過する場所」ではなく
その日その時に合わせて眺める位置を変え、ビューの高さを
変え、座る場所を変え、深呼吸したり、本を読み物思い
にふけったり、etc。
まさにa place for good timeの一つの場所
として機能を持たせようと考えている。
現場ではすでに階段を設置。
足場シートがあるから、まだビューは望めないが
元井さんの意図がわかりました~と言ってくださいました。
ここで営まれる彼らの普通の暮らしの
一ページになることを期待。
上手くいくといいんだけど。。。
もう一つ。
KOKON HUT 古今的勝手な代名詞。
三角庇
この敷地では真っ黒三角庇よりも、緑多い周辺環境や
ファサードデザインを考えた時、裏は木の方がしっくり
来るなと思い米松材を貼った。(もちろん防火処理)
板金屋さんの手仕事である端部のテーパー処理のおかげで
すごくシャープなんだけど、手仕事感が、あったかさが
残る三角庇となった。
テーパー処理は本来、水を切る役割を担うための形状。
思いのほか決まって嬉しくなったが、まさに用の美となった。
思うこと。
デザインという言葉にも色々意味があるけど
この場合は見た目としてとらえた時、
人の目だけを意識して作ったものは、ちゃんと
古くなれていない気がする。
誰かに引き継がれる時間の流れがあって
いざそのタイミングになった時、見た目だけでは
大事にされていない。壊される。捨てられる。
これは歴史が証明していて
結局、美しくていいモノしか大事にされない。
いいモノとは
経年美化する素材、
アナログで直して使える、
定番に最新、その環境に適したものを
加えて最適化したモノ、、、etc。
世の中、最強のエコロジーはロングライフ。
時間が作るであろう世界観をイメージして
いまの仕事に意識して携わっていきたいなあ
と思う。
これは僕らのブログも同じ。
ここでいう見た目は書くこと。
いつも書くコトや報告するコトが目的になってないか?て
自問自答します。
よくよく見ると手前味噌によくなっていて
こっぱずかしくなることも多々あるけれど
目的は僕らを知ってもらうコト。
読む人たち・これから家をつくる人に
物差しを提示するような
意味や情報がそこにあるかというコト。
そして、同じ感覚の住まい手とともに
ロングライフデザインな家を造ること。
大きな意味で社会に地域に家作りで貢献すること。
それをお伝えていく場がこのブログであればと
願い思いながらいつも描いています。
今日は 喫茶古今。
なかなか予約が取れない・食べれない4haさんと
良い空間でおいしいモノを食べて
a place for good timeの一つ。
形を変え、変化しながら続けていきたいなあ。
元井