設計するということ
2019.03.08
春が近づいている気配を感じるこの頃。
先月現調でお伺いした何軒かのお庭には梅の木があり、
寒い中、白や赤の花を咲かせ、色を添えてくれていました。
花が咲く木・実がなる木は季節を感じられますし、できるだけ残し、設計の中に取り入れたいところではあります。
今年の桜開花予定は3月21日だそうです。
毎年お花見の時期になると、世間はなぜあんなに騒ぐのか…と思ったりしますが、自分もお花見行きたい!と心躍っているなと...。
さて、数年前から言われていました「住宅の省エネ基準義務化」が見送られましたが、
快適な家の条件のひとつは『断熱性』です。
その「家」の断熱性能を数値で表すことができます。この数値化を義務化しようという話だったのですが…。
『冬暖かく、夏涼しく、快適に過ごせる家』これは誰もが望んでいるものだと思います。
ただ、断熱だけではなく、採光・通風などもとても重要なものです。
でもこれらは、周囲の環境によっても変わってきますし、断熱性のように数値では表しにくい部分ですが、
設計者としてその土地をよく読み取り、周辺環境も取り入れて設計していく事が気持ちのいい家を作る条件だと思います。街を歩いていて様々な住宅を見ますが、その土地だけで完結している家が多いなとよく感じます。
また、これらと並行して大切なのは住まう方の生活スタイルです。
先日読んだ記事に収納ができない奥様の話がありました。
収納スペースは十分あるのに家が片付かないのは、奥様のせいだとご主人から言われ自己嫌悪に陥っていたとの事。
しかし原因は家自体の設計にあり。必要な場所に必要な収納がない。
その家をリノベーションする際、設計者と打ち合わせで生活スタイル、動線、収納する物・量・場所をきちんと整理し設計されました。
その後、家はすっきり片付き快適な生活を送られているそう。
ただ収納スペースを設ければいいわけではなく、住まう方の暮らしに応じてご提案することが大切だなと。
数値に表れない大切な部分が『住まい』には大きくあるのです。
代田