連子(れんじ)
2022.03.25
ようやく寒の戻りも落ち着き
本当の意味で春らしくなってきた。
SPRING 春 バネ。
ん?
春はバネのように飛び跳ねて
飛び出していく意味もあるのかな、
ふっとおもい、調べると、
ほんとにそうなんだ。
びっくり。
家での暮らしにとっても
窓を開けて換気するのも、
空気を流すのも、せっかく温めた
暖気がもったいないと思わなくて
よい季節になりました。
飛び出していくという意味を持つ
SPRINGは、開け放つ解放感にも通づる。
「SPRING」
流石、春にふさわしい言葉でした。
さて、題名にもあるように
「連子」をご存じでしょうか。
私が、一番有名な連子は?といわれて
思いつくのは、奈良の法隆寺の
にある連子窓の回廊。
一つ一つの連子窓から望む庭が
連子の木らに内と外を一線引かれながら
不思議な一歩引いた安心感のある外の景色に
切り取られ、連子の効果を味わいやすい。
一般的には格子といわれるが、
定義としては
縦横に細い木を隙間を開けて
組んだものを格子、
縦方向だけで並べたものを連子
と言われる。
連子窓の寺の起源によると
櫳(れい)または櫺(ろう)
の字があてられ、櫺は木の格子の意味
櫺は牢の意味があるらしく、
檻の意味で作られたという説がある。
檻と同意語の連子窓がどういう意図で
寺院などに使われたかという疑問は、
法隆寺が聖徳太子の霊を祀るために
建てられ、太子一族の怨霊を閉じ込める
意図があったという説もあり、だとすると
疑問が解ける気がしてくる。
古い郭の町並みにも残る
格子はあでやかで美しい表情
があるが、格子のある開口部ゆえに
外界との交流が可能だったとしても
その格子の一番の役割はあくまでも
遊女を閉じ込める檻でもあるという
ことからするとあながち間違ってるとは
言えない気がする。
奈良 @大和郡山 遊郭跡
役目もあるように思う。
でも、今の住居についている
事例3
防犯・外とのワンクッションでつけた
地窓に設けた格子
事例4
設え・外部の構成要素としての格子
事例5
日射調整・風量調整・視線の調整として
大開口に格子雨戸
井ノ口の家(また写真撮ります)
最近は台風も巨大化。
作り手としていつも
二年前?三年前の19号レベルを
想像して恐怖を感じてしまいます。
正直、あれの前ではデザインよりも
意味のある機能性。
怖すぎて、シャッターや雨戸も
見直す時期に来ています。
木製で作ればいいんだけど
ウッドショックで木がべらぼうな
値段。
アルミ製の機能性重視なもの、
木製格子や連子の表情の
すばらしさをわかりつつも
のど元過ぎればなんとやらで
恐怖感が薄れて
金額と折り合いがつかないこともしばしば。
提案する優先順位に
いちいち悩んでいます。。。
格子や連子の意味、
精神の交感の部分は忘れないけど、
この悩みはきっと尽きないです。。。
古今 元井
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