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類は友を呼ぶに期待して

2023.08.04

毎年言ってるなあ。

冬が好き。夏苦手って。

 

趣味でサーフィンしてるから

夏好きと思われがちですが、

 

夏空気が濁る気がするから苦手。

(美味しくない、空気が)

 

基本、日焼けしたくない、苦手。

(風呂好きなので入るとき痛すぎる)

(どうしてもチャラ男になる)

 

カルフォルニアに感化された

日本的な海周辺のカルチャー嫌い。

(ある意味、日本らしい文化性)

 

この時期増殖してくるパリピ嫌い。

(自宅が藤沢なので至る所で。藤沢限界説)

 

海でするBBQ苦手。(山は好き)

 

公共の場で

エンジン使って粋がる人、苦手。

(自分の体の性能で勝負せい)

 

 

etc….

 

列挙していくと、私はどうやら

海周辺、夏周辺で闊歩している

事柄大体嫌いで苦手なようです。

 

 

だから夏は暑いから嫌いではなく、

ただただ夏周辺文化が嫌いなんだ。

 

 

でも、現場居るとやっぱり暑い。

考えるのが億劫になります。

 

でも考えるのやめませんよ。

 

何故なら今はきついけど

喉元過ぎたら

後悔するのを知っているから。

 

 

某所:M邸

男5人で、木製サッシ納入。

 

今物件、道が狭く、弊社の

サッシ屋さんに協力賜り、途中の広い通りで

乗せ換えて搬入するという初の試み有、

 

どこに車を停めてどこで受け渡し

するか、新潟からのドライバーさんと

あーでもない、こーでもない、

ここはどうですか、ここはバス通りだから

朝は無理でしょとか、朝から電話で

最適解が見つからないやり取り有、

 

全長8m近い木製サッシ枠、

それを二本に分けて

どう搬入し、どうやって繋げるのかという

来てみてからしかわからない問題有、

 

総重量300kg近く、三か所あり

5人じゃ無理じゃねとか、下手したら

一日だぞこれとか。

 

最悪のケース、これがだめだったら

こうしようとか考えすぎて

眠りがまあ浅い浅い。

 

暗いうちに起きてそこから

寝れなくなるくらい。

 

設計者兼現場監督の私と、

現場の大工はまあ朝からピリピリ。

 

だいたい普段から

準備をちゃんとしない、

行き当たりばったりの人に

限って何とかなるよって言う。

 

 

でも

なんとかなるでしょとか

GO WITH THE FLOWとか

明日は明日の風が吹くとか

ケセラセラとか、

ちゃんと様々を想定して

取り越し苦労に多分終わるけど、

ちゃんと準備をした後に、

自分のやってきた事を信じるために

その人、その時だけが

使っていい言葉たちですよねって

ぶちまけたいくらいピリッてた。

 

 

結果、ちゃんと準備したものが

想定通りに大体うまくいって。。。

 

 

大ではなかったけど、中成功。

 

 

終わった後、

自然と笑みが。。。心労がエグイ。

 

 

もう夏休みにしたいです。(本音)

 

 

そんな今日も信頼できる変態大工は、

木製サッシ絡みの造作物の納まりを

ジリジリ太陽のもと、思慮して

スケッチして、僕が言う言葉と

取り合いが多すぎて

全貌を描けない絵のせいで

わけがわからんくなって

きたーなんて言いながら

進めてくれています。

 

仲間だなーって思います。

 

 

 

 

 

某所:ハナミズキの家

 

玄関から玄関土間、ストーブを望む。

 

 

この家の象徴。ハナミズキ。

ハナミズキを望むハナミズキテラス。

それを切り取る全開放木製サッシ。

無駄なぜい肉がないからこそ、美しい。

 

 

この物件は、先日、弊社にお問い合わせくださり、

基本申し込みをして下さっている方々

のみの見学会を開催したときのもの。

 

土地の在り方、経緯、

施主の想い、古今の想い、色々

混じり合って辿り着きました。

 

なかなか最適解だなあって思える事

ないけれども、

きっと、これは最適解だったなあ

と思えるんです。

 

その家が

来てくださった方々の家つくりの

参考になったようで心より良かったなと。

 

なかなか今の世の中、見学会を行うことが

世相的に難しくなってきてるなあと

感じます。

 

でも、「家を買いたい」ではなく、

「家を作りたい」という価値観を持つ人

にとってはこれほど実物大で参考になる

代物は存在しない。

 

住まい手には心より感謝です。

 

 

既存家屋、解体時に施主とたった一つ、

これだけ残しましょうと

決めたハナミズキ。

この家を設計するのにあたり、

素晴らしい指針になってくれました。

 

 

 

提案時の模型と実物完成時。

実物の完成とほぼ変わらない。

それくらい最適解だったと思っている。

 

 

先日、FIX窓から夜、室内からの月がきれいで

風流でしたっていうメールも下さり、

すこしづつ

暮らしを楽しみ始めているご様子。

 

 

また、古今の施工事例を

彩ってくれる事例が一つ増えます。

 

 

掲載とともにまた新たなご縁や

新たな価値観の融合が図れる方々と

出会えるのを楽しみにしています。

 

ただ、いかんせん

自分で自分のブログを読み返すと

だいぶ性格歪んでますね、私。。。

 

これからの住まい手の皆様には

こんな作り手たちですが

変態気質を受け入れる素養は

持っていると思っているので

その点は十分にご利用頂きたく。

(でも、任せてほしい耐震・断熱・耐久性に

関して悪い方に干渉するなら

私は口うるさい姑になります)

 

普段、神なんて仏なんて居るかよって

思っている自分が、やることやって

神頼みをしたくなる時に読んだ

占いによると、私は変態の引率者

らしいのです。

 

類は友を呼ぶ。変態は変態を呼ぶ。

 

現在、打ち合わせをされてる

方の中にもサイコパスさん、

クレイジーさん、

アバンギャルドさんが

私どもと歩みを進めて

くれています。

 

 

よくぞ、ウチに辿り着いてきて

くれたと思っています。

 

 

この場合に使う変態関連用語は、

こだわりのある人,

自分の心地よい感覚に敏感な人への

誉め言葉です。

 

あしからず

 

元井

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

世の中は適度な匙加減で回っていると思うのだが。

2023.04.07

先日、私たちのことを事前に知ってくれて

いる初対面の木材業者の方をご紹介して

頂きましたが、あまり商品的に

琴線に触れるものがなかったので、

当たり障りのないお話で終始していた時、

木材を扱うという共通項を

持っていたとしても

きっと同じモノサシは持っていないだろうな

と思ってはいたんですが、

 

「古今さんの作風って和風ですよね」

って言われました。

 

正直に言うと、自分では作風が

和風でも洋風でもないとは思っていて

一般的な方からすると和風に

分類されるのかもしれませんが

その方の中では北欧風とか

アジア系、リゾート系など

建築を~~風や~~系で分類して

理解しているんだなあというのが

わかりました。

 

 

和風ですよね?っていう問いに

そうなのか?

えっ違うと思うけど。。。

一般的な方々からすると。。。

そもそも分類いる?

色々な自らへの問いが

走馬灯のように(死なないけど)

流れていきました。

 

私自身、

結構、相手方とはっきり話をしたいタイプ

ではあるのですが、珍しく口ごもって

しまいました。

 

でも改めて上記の一連を経て

認識したこと。

 

①今、残せてる形は

住まい手との共作の結果で

あって、作風ではない。

 

②分類は正直なんでもよい。

分類すると分類できるのかもしれないが

その間や分類にまたがって存在している

無数のにあるもの中に

私や、弊社に来られる

住まい手の建てたい家の

よりベターな解がきっとあって、

それをどうやって見つけて提示していけるか

が古今の課せられた役割ということ。

 

最近、なんのタイミングなのか、

本当に自分本位でこれからを

背負う若い人たちへの思慮が無い人、

考え方が偏ったままひねくれたまま歳を

経られたなあと感じる人、

カテゴライザーによく出会う。

 

私たちの職業で自分本位、偏って

建物を設計施工することは

自分にとって本当に恐怖だ。

 

今の家は、予算、デザイン、耐震、

温熱環境、住まい手の希望、

耐久性、使い勝手、生活動線、

収納量、空間の余白、採光、

通風、などなど

建物の建てられる周辺環境を

色々な側面から噛み砕きながら

これらを違和感なく、バランスよく

納めていくことが求められて、

いつもここに腐心している。

 

また、去年OKだったものが

今年はNGだったり、また

建築業界は時流に流されて、

いつも自分がどのポジションで

バランスをとるのが古今らしいのかを

いつも考えてきました。

 

 

また、自分ではバランスが取れた

ものができたのと思っていても、

住まい手の一声で、ガラガラと

音を立てて崩れていくようなことも

打ち合わせの中で往々にして

起こる。

 

その時はまた、やじろべーの

傾いた偏ったバランスを取るために

粛々と見えないところで腐心する。

 

 

この一連の流れの中で

 

もういいや!考えるのやめた、好きにして。

などの他人にオールを投げる行為。

 

いや、僕はこれが良いから変更できません!

などの自分の思想が勝つ行為。

 

自分の都合が勝ってしまう、

面倒が勝ってしまう

考えるのをやめる

 

これを請負の仕事でやりだしたら終了です。

 

カテゴライズしないと気が済まない人

60代現役のつもり、思慮に欠けた人、

偏った偏屈人間に出会ったのも

何かの縁。

 

そうならないようにって

肝に銘じてはいますが、

私は聖人君子ではない。

 

思い出すだけで

イラっとすること、この上なし。

 

建築家の堀部さんが対談の中で

建築は「永遠の微調整」と言ってました。

 

きっと、今の世の中で

自分らしく生きるってことも

永遠の微調整。

 

堀部さんのニュアンスと

私のニュアンスは違うのかもですが

設計と施工までを生業とする私たちは

一度自分で設計したものを現場で再度

検証して微調整を重ねてよりよくなるよう

落とし所を探る行為を時間が

許す限りしている。

 

本当に堀部さんの言葉通り、

そうだなーとつくづく思う今日です。

 

 

 

 

 

北鎌倉の家

すでに建物内部はお引渡しして

来週のお引越しを待つばかりで

今は、外構工事に突入。

 

今物件は、住まい手さんの

ご友人の庭屋さんがわざわざ

長野:上田より来てくれて

作業してくれています。

 

なかなかないコラボなので

非常に完成が楽しみです。

 

建物外観

杉板に塗装し、幅の違う横貼りと縦貼りを

組み合わせてシンプルになりがちな

矩形の建物に表情を与えるよう思慮した。

 

縦横の継ぎ目は、防水上弱点で、

水が入らないよう大工さんが特製の継手を

羽目板に現場加工してくれました。

見えないけど素晴らしい仕事。

 

 

 

内部

 

 

 

作風、和風ですかね笑

 

自分なりにコンパクトだけど

広がりのある素敵な空間に

なったなあと自負してます。

 

この家の住まい手さんは

ご自分の匙加減に基づいて

本当に世の中としっかり対峙して

生きている方。

 

お互い話し始めたらきっと

酒なんかなくても、何時間も

話せる。

 

同年代ですが、話を聞くと

本当に頭が下がる思い。

 

この場所が

家に居る時くらい、心穏やかに

なれる空間になって欲しいと心から願う。

 

住まい手さんご夫婦のセンスある

大事にされてきてる

所有物も入り、より生き生きとした

この空間を早く見たいなと思っています

 

 

 

古今 元井